花王は12月12日、「生活者の暮らしに関わる意識と行動」に関する調査結果を発表した。調査は2006年、2008年、2010年、2011年、2012年、2014年、2016年の9月、首都圏在住の20~60代既婚男女1万126名(2006年からの累計)を対象に、WEBおよび郵送で行なわれた。
ここ10年の最大の出来事と言えば、筆者は2011年の東日本大震災が真っ先に浮かぶ。東北の人の生活だけでなく、日本経済にも大きな打撃を与えた。ほかにも、リーマンショックやアベノミクス、オリンピック誘致といった出来事とともに、私たちの生活は変化してきた。花王は2006年~2016年の10年にわたり、生活者の価値観やライフスタイルの多様化、社会情勢の変化にともなう日常生活の変化を捉えるために定量・定点調査を隔年で実施してきた。同レポートでは、これらの調査結果から「家族」にまつわる意識の変化を読み解いている。
この10年の生活満足度と家族関係
この10年の生活満足度は、リーマンショック直後は減少したものの、震災を経て再び増加。「現在の生活に満足している」と回答した人の割合は、6~7割程度と依然として高い傾向に。一方、自分の将来への不安は徐々に上昇傾向となっている。
家族関係については、男女ともに「家族とのコミュニケーションは良好」と答えた人は約8割と高い状態をキープ。夫婦関係においても、「裁量のパートナー」という意識は微減傾向にあるものの、約8割を保ち続けている。
「お互い干渉しない家族」が上昇傾向
家族とのコミュニケーションが良好である一方で、「お互い干渉しない家族がいい」との意識はこの10年で男女ともに10%上昇し約6割に。年代を問わず8割が「リビングで家族がそれぞれ別のことをしていても気にならない」とのこと。また、「家族が同じ部屋で過ごしているとき、スマホを見たりゲームをしていることがある」と答えた人は、20~30代では7割を超え、SNSの普及などが家族の距離感にも影響を及ぼしていることがわかった。