ボーイング社の最新ワイドボディ機「ボーイング787-9」を、2016年の成田=ハノイ/ホーチミン便を皮切りに海外エアラインの中でいち早く導入したベトナム航空。今回、成田=ハノイ便のビジネスクラスに搭乗し、最新の設備やサービスを体験してきたので、リポートをお届けしたい。

  • ボーイング787-9

ベトナム航空とボーイング787-9

この「ボーイング787-9」は現在、成田=ハノイ/ホーチミン便に加え、今年6月より関西=ハノイも運行されている。従来の民間航空機に比較してさまざまな新技術が用いられており、高品質な複合材による大幅な軽量化、メンテナンスが容易で燃料比率が良く、さらに騒音や排気が少なく環境にも優しい設計となっている。

  • CA衣装がアオザイなのもベトナム航空ならでは

ベトナム航空では、2019年までに同機体19機の運航を、ハノイ~ホーチミンシティ、ベトナムからイギリスのロンドン、ドイツのフランクフルト、日本の東京、中国の北京、オーストラリアのシドニー・メルボルンなど、主要路線にて予定しているとのことだ。

快適すぎるフルフラットシート

では、ここから機内を見ていこう。ビジネスクラスは1-2-1の配列で全28席となっているのだが、なんと言っても注目は曲線美が美しい近未来的なシート。それぞれの席が斜めに配されており、スイッチひとつで180度のフルフラットまで背もたれを倒すことができ、ベッドのように横になることが可能なのだ。

  • エコノミークラスの座席

  • ビジネスクラスの座席

  • ビジネスクラスのフルフラットシート

さらにシートのディテールを見ていくと、映画などの動画が見放題の個人モニター、コンセントやUSBポート、オリジナルのポーチに入った多彩なアメニティなど、数時間どころか数日でも過ごせるんじゃないかと言うほどの充実っぷりだ。ちなみにピッチが106.7cmと広々しているのも嬉しい。

  • フルフラットにすれば、体を横にして寝られる

  • コンセントやUSBポートを完備。デジタル機器の充電にも困らない

  • タッチパネル式の個人モニターで、さまざまな動画が視聴できる

  • 櫛やアイマスク、耳栓などアメニティも充実

またエコノミークラスの方は、3-3-3配列でシートピッチが78-81cm、幅41.4㎝となっている。ビジネスクラス同様、各シートに個人モニターが完備されている。

量も質も申し分なしの機内食

飛行機の楽しみと言えば"機内食"。ビジネスクラスでは、搭乗してシートに座るとウェルカムドリンクとしてスパークリングワインが配される(ソフトドリンクや他の酒類にも変更可)。

  • ウェルカムドリンクのスパークリングワイン

行きは、成田10時発の便に搭乗したので機内では昼食が配された。洋食と和食を選ぶことができ、筆者はステーキに惹かれて洋食をチョイス。前菜、スープ、サラダ、メイン(ビーフステーキ グリーンペッパーソースorポークのココナッツソース煮)、パンの順にコース仕立てで料理が運ばれてくる。

  • 高級感たっぷりの上品な前菜

  • メインのステーキはボリュームも満点

食後には、チーズ、季節のフルーツ、アイスクリーム、チョコレート、ケーキなどのデザートサービスもあり。これらは、なんと食べ放題だというから驚きだ。また、日本行きの便ではベトナム名物のフォーが選べるのも嬉しい。

  • 食後のフルーツやチーズなどは食べ放題

  • アイスクリームも濃厚な味わい

食べた感想としては、どの料理も美味なことはもちろん、かなり量が多いことが印象的だった。量も質も申し分なしの機内食には、ベトナム航空の力の入れようが窺い知れる。またエコノミークラスは、和食or洋食・アジア料理の2種から選ぶことができ、2カ月サイクルで内容は改定される。

  • ベトナム名物のフォーも食べられる

ビジネスクラスでの空旅を終えて……

成田=ハノイの飛行時間は約6時間(運航機材やフライトスケジュールなどによって異なる場合あり)なのだが、「え、もう着いたの?」と思うぐらいの快適さだった。

通常、飛行機に乗ると圧迫感からストレスを感じることが多い。だが、この「ボーイング787-9」は、天井が高く、室内灯がブルーのLEDライト、窓が777に比べて約1.3倍など、随所に快適に過ごせるような改良がなされているので、これまでより快適に過ごすことができたように思う。

もちろん、ビジネスクラスの超快適シートだったことも大きい。実は今回、筆者にとって初のビジネスクラス搭乗だったのだが、なんといってもフルフラットシートでベッドのように寝られるのがいい。しっかり熟睡することができるので、長い飛行時間もまったく苦にならなかった。

ハノイやホーチミンは、所狭しと店が並び、多くの人やバイクが行き交い……とにかくパワフルな街。観光にはかなりエネルギーを要するので、飛行機移動はベトナム航空の快適な「ボーイング787-9」に乗り、ゆっくり体を休めるといいだろう。

取材協力:ベトナム航空