マネックス証券は12月11日、人工知能(AI)がFXのトレーディング技術の向上を支援する新サービス「トレードカルテFX」(以下「トレカル」)を2018年1月より提供開始すると発表した。
自分のスタイルを客観視できる
トレカルはマネックス証券とHEROZが共同で開発したもので、利用の対象となるのはマネックス証券のFXサービス「FX PLUS」を利用している個人トレーダー。過去のトレーディング実績を基に「ユーザーの取り引きの傾向」「取り引きスタイル」を"病院のカルテのように"表示できるのが特長。
同社では売買タイミング、得意・不得意なチャートパターンなどを見える化することで「目標とする取り引きリズムやスタイルを固めたい」「通貨ごとの適正相場を確認したい」といったニーズに応えられると説明している。
記者説明会に登壇したマネックス証券の谷田寛明氏は「トレーダーの個性に合わせたサポートを行います。現状を分析して、予習と復習を繰り返して、効率的な経路を提案していきます」と説明。目指したのは"トレーディングのフィットネスジム"とのこと。
「街のフィットネスジムに通う人の目的は、健康になりたい、身体づくりをしたい、目標とする大会がある、など様々です。そこで現状と目的までのギャップを分析して、個人に合わせたロードマップを提供するのがフィットネスジムの役割。トレカルでも、トレーディングの傾向を機械学習で分析して、その人が目指すスタイルに沿っているかを判断、利用者にフィードバックを返していきます」(谷田氏)。
どんなトレーダーになりたいか
会場に招かれた著名な個人投資家も「自分のスタイルを維持した一貫性のあるトレーディングは重要」と語る。
よく一般の個人投資家からアドバイスを求められるという同氏は「迷っている人には、どういうトレーダーになりたいかを明確にするよう説いています。それは目標を持って、そこへ向けて正しい努力をしていく、ということ。でも目先の勝ち負けに気が取られて、努力の方向性がずれていく人が多い」と説明する。
トレカルでは日々の取り引きの予習や復習が行えるため、いま自分がやっていることを客観視できると評価した上で「選択肢に迫られたときに道を誤らずに成長していけるため、個人トレーダーにはメリットが大きい」サービスだとアピールした。
このほか、トレカルには「他の通貨で取り引きをしたらどのくらい稼げたか」をシミュレートできる機能なども備えている。現在はFXトレーディングに絞ったサービスだが、マネックス証券の谷田氏によれば、今後は株取引にも展開する考えだ。