ジャパンディスプレイは12日、803ppiの3.6型VR専用液晶ディスプレイの開発を発表した。高精細のディスプレイを搭載することで映像のリアリティが向上し、VR体験時により没入感が高まるとする。市況をみながら、2018年春頃にサンプル出荷を予定し、2018年内をめどに量産する。
今回開発が発表されたのは、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)専用に開発された、803ppiの3.6型液晶ディスプレイ。解像度は1,920×2,160ドット。同社がすでに量産化している3.42型の「LTS TFT-LCD」は651ppiの解像度(1,440×1,700ドット)。650ppiではレンズ越しに見た際、画素の固定パターンが見える場合があり、"画面を見ている"感覚が残ってしまうとして、より高精細なディスプレイが求められていたとする。
今回開発された液晶ディスプレイでは3.6型で803ppiという高精細化を行い、加えて90Hzの高速駆動、標準で4.5ミリ秒という高速応答速度(中間調、ワーストケース)を実現した。
ジャパンディスプレイ ディスプレイソリューションズカンパニー ディスプレイソリューションズ第1事業部 商品部 応用技術1課の原山武志氏は、VR専用機向けLCDのメリットとして、高精細や応答速度の高さ、コストの低さを挙げる。一方で、仕組み上、コントラストはOLEDより劣ると説明した。800ppiクラスの精細感を持つVR向けディスプレイは、技術展示会などで参考展示しているメーカーがあるものの、「製品として発売しているところはない」とする。
主な仕様は、サイズが3.60型、解像度が1,920×2,160ドット、精細度が803ppi、リフレッシュレートが90Hz、輝度が150カンデラ/平方メートル、応答速度が4.5ミリ秒、色域がTyp.70%、コントラスト比が700:1、バックライト方式がグローバルブリンキングなど。同社は今後、ディスプレイの高精細化を進め、1,000ppiを超える2.x型のディスプレイの開発を進めるという。