なか卯はプレミアム重シリーズ第5弾商品として「牛たん重」を14日から期間限定で発売する。価格は並が890円、大盛が950円。なか卯のなかでは高額商品となるが、どのような効果を見込んでいるのか。

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    なか卯として初の牛たんメニュー。特製塩だれに瀬戸内産レモンを使用。ネギと海苔が風味を引き立てる

プレミアム重は今やなか卯の戦略商品だ。2016年8月の「うな重」を初めとして、2016年9月に「ローストビーフ重」、2017年2月に「熟成リブロースステーキ重」、2017年9月に「黒毛和牛重」を期間限定で販売してきた。

詳細な数値は公表できないとするものの、同社広報部によると、なか卯の既存店売上は足元で好調に推移しており、下支えしてきたのがこのプレミアム重シリーズだ。

プレミアム重シリーズの役割は、客層拡大・誘客効果の向上にある。他の外食店舗で1300円-1500円程度するものをリーズナブルな価格で提供し、客数の増大を図るのが狙い。なか卯のメインターゲットは30-50代となるが、これまでのプレミアム重シリーズによって、60代以上のシニア層、20代の若者の利用者も増え、狙い通りの効果も得たようだ。

期間限定商品となると、その効果も限られたものとなりそうだが、なか卯の面白いところは、かつてのプレミアム重シリーズを復刻させていること。12月8日時点では、期間限定ながら、ローストビーフ重を再販しているという。こうした取組みを見ていくと、プレミアム重シリーズは、2度、3度と活用できる有望な商品といえそうだ。

客層拡大などの効果に加えて、なか卯は別の願いも込める。それは「来店いただき、他にもこだわりの丼物があることにも気づいて欲しい」(広報部)というものだ。

なか卯は、丼物、うどんのチェーン店であるが、様々なメニューを提供している。海鮮系として、12月7日からは生うに丼の販売を開始しており、ほかに季節限定メニューとして牡蠣とじ丼なども提供している。牛丼(正確には和風牛丼)、親子丼などはイメージしやすいかもしれないが、様々なメニューにチャレンジしているのだ。プレミアム重を入り口に、こうしたメニューの豊富さを認知してもらい、来店につなげたいという思いもあるようだ。