東京駅丸の内駅前広場が7日から全面供用を開始し、同日にJR東日本が報道公開を実施した。広場中央に大きな歩行者空間「丸の内中央広場」、その南北に交通広場を配置し、東京駅丸の内駅舎(重要文化財指定)とともに丸の内地区を象徴する空間となる。

  • 東京駅丸の内駅前広場が12月7日から全面供用を開始した

丸の内地区では2012年10月に東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事が完成した後、2014年8月から丸の内駅前広場の工事に着手。段階的な供用開始を経て、12月7日から全面供用開始となった。丸の内中央広場はデザインにおいて行幸通りとの一体性に配慮し、白を基調とした格調高い御影石で舗装。その両側に芝生を配し、デザイン性の高い3灯式のポール照明、皇居前広場へつながる軸線を意識したケヤキ植栽を平行に配置している。

交通広場は「丸の内中央広場」の北側・南側に設けられ、路線バス・タクシーなどの交通結節機能を集約するとともに、換気塔を切り下げ、グレー調の仕上げとするなど、周辺の景観に配慮した修景も行われた。歩道部には丸の内中央広場と同じ御影石舗装を採用し、日本の四季を彩るサクラ・モミジなどの木々も植えられている。

報道公開にてインタビューに応じる東京駅長の小池邦彦氏

全面供用開始に合わせ、JR東日本が実施した報道公開では、東京駅長の小池邦彦氏(JR東日本常務執行役員)が所感を述べた。「立派な駅前広場となって感激しています。赤レンガの駅舎と調和し、行幸通りとの親和性も考えてつくられています。この駅前広場を観光客・通勤客の皆さんが安心して利用し、駅周辺でより楽しんでいただくための取組みを深めていきたい」と小池氏。「駅周辺が高層ビル化する中、大正時代にできた東京駅はむしろ引き立っていると思います。とくに夜のライトアップされた駅舎・駅前広場は皆さんにご覧いただきたいですね」と話していた。

この日も東京駅周辺では訪日外国人旅行者らの姿が見られ、駅舎や駅前広場を撮影する人も。「インバウンドのお客さまも毎年増えています。外国からのお客さまも楽しめる駅となるように、駅構内の案内表示を4カ国語対応とし、外国語を話せる案内スタッフを配置し、社員の英語教育にも努めるなど、さまざまな対応を進めていきます」と小池氏は述べた。

  • 丸の内中央広場ではケヤキ植栽や白を基調とした御影石舗装をはじめ、デザインにおいて行幸通りとの一体性に配慮している

  • 換気塔は切り下げられ、グレー調の仕上げに。丸の内中央広場の芝生は夏場の路面温度上昇を抑制するなどの目的があるという

  • 丸の内中央広場の北側・南側に交通広場が整備された。都営バス・東急バスといった路線バスやタクシーが行き交う