セブン-イレブンジャパンは5日より、2017年新作冬アイスクリームの一部商品の販売を開始した。今冬に力を入れる商品のひとつが"冬アイス"。いきさつや理由を聞くと、アイスの概念が今までとは変わりつつあることに気づく。
冬アイスで勝負するセブン
セブン-イレブンジャパンが発表した2017年新作冬アイスは全5種類。数多くの新商品が発売されるコンビニにおいて、"冬アイス"が登場してもおかしくはない。しかし、違和感を覚えるのは、その力の入れ方だ。コストのかかる新商品発表会を開催してまで、夏の食べ物に力を入れるのは、何かがあるからにほかならない。
セブン-イレブン・ジャパン 商品本部チーフマーチャンダイザー石原真一氏によると、ここ5年ほど従来よりも凝ったアイスの販売に力を入れてきたという。そして"冬アイス"と謳い始めた昨年にテレビCMを放映し、大々的にプロモーションを行なった。その流れを受け継ぎ、今年も"冬アイス"で勝負、というわけである。
本来、アイスのピークは夏。だが、市場動向は冬にも売れることを占めている。アイス市場の売上は拡大を続けており、とりわけ下期の売上増加額が大きくなっているのだ。これはつまり秋冬にもアイスの販売チャンスがあることを示す。
セブン-イレブンも売上拡大の余地は冬のほうが大きいと見ており、力が入っているというわけである。アイスは冬の食べ物ともなりつつあるのだ。
もうひとつ、注目したいのは価格だ。さきほど、下期の売上が増えていると述べたが、石原氏によると、その要因として数量の増加よりも、単価上昇の影響が大きいという。つまり、冬アイスは高くなっているのだ。
もはやアイスといえば、子供のおやつというイメージは古い。薄々感じているだろうが、コンビニに行っても100円出して買えるものはごくわずか。アイスは高くなったという印象しかない。
そうしたトレンドを踏まえて、セブン-イレブンは、昨年の冬アイスの平均価格よりもさらに高い新作冬アイスを出している。一番安いものでも税込みでは200円を超えてしまうラインナップだ。