念願の一人暮らしを始めた時に、困ってしまうことの一つが「自炊」。それまでまったく料理をしたことがないという人も多いのではないでしょうか? 今回はそんな料理初心者の方のために、「そろえておきたい道具や調味料」、「初心者でも作りやすい料理」などについて料理教室「半熟キッチン」を主宰されている高野顕史(たかの・あきふみ)先生にお話を伺いました。
はじめての自炊で必要な道具とは
「一人暮らしの場合、最初から立派な道具をそろえる必要はありません。あれこれそろえるとお金もかかりますし、場所もとります。だから最初は炊飯器、電子レンジ、フライパン一つ、鍋一つ、包丁、まな板、おたま、トングがあれば十分です。特にトングは菜箸より肉や魚をひっくり返す時に使いやすいので、おすすめですよ」
調味料はどんなものを用意すれば?
「最初は『しょう油・砂糖・塩・だしの素』があれば大丈夫です。逆にオイスターソースやコチュジャンといったあまり使わない調味料まで買ってしまうと、使い切れないなど、冷蔵庫がゴチャゴチャする原因になります。それから初心者におすすめの調味料は『めんつゆ』です。だしがとってあるので使いやすいですし、シンプルながらも手早く味を調えられます」
初心者でも失敗しない料理を教えてください!
「『豚丼』などはどうでしょうか。まず、玉ねぎを適当に切り、フライパンで炒めます。野菜がしんなりし始めたら、そこに豚肉を入れてさらに炒めましょう。火が通ったら少量の水を入れ、砂糖としょう油とだしの素を入れて軽く煮込みます。適当なところでそれをご飯に乗せれば完成です。また、これに『紅しょうが・刻みネギ・ゴマ』を振りかけるとグッと見栄えがよくなります。ネギを使い切れるか心配な方は刻みネギのパックを買ってきてもいいですよ。豚丼だけでなく、みそ汁や冷ややっこの彩りとしても使えます。
とにかく料理初心者は頑張りすぎないことが大切。料理は毎日するものなので、楽をできるところは楽をしましょう。最初は『買ってきた唐揚げに自分でソースを作ってかけてみる』『料理を2品用意するなら、そのうち1品は買ってきたもので済ませる』くらいの気持ちで始めてみると、長続きすると思いますよ。そこから少しずつ料理に慣れて腕を上げていけばいいでしょう」
最後に高野先生が教えてくれた料理の腕を上げるコツは、「友人や恋人を招いて食事を振る舞うこと」。目の前で「おいしい!」と言われるのは、料理の腕を磨く最高のモチベーションになるそうです。今回の記事を参考に、ぜひ自炊に挑戦してみてくださいね。
《取材協力》
高野 顕史(たかの・あきふみ)
料理講師/グラフィックデザイナー
「かんたん・おいしい・たのしい」をモットーに、初心者向け料理教室「半熟キッチン」を2012年から主宰(なお、2017年現在は不定期開催)。自らデザインしたかわいいキャラクターたちが活躍する「レシピブック」も好評。
公式サイト「半熟キッチン」
http://www.esper-design.com/料理教室-半熟キッチン.html