日本政策金融公庫はこのほど、「2017年上半期食品産業動向調査」で雇用労働力について「不足」と答えた食品関係企業を対象とした、労働力不足の実態調査の結果を発表した。調査時点は2017年7月1日、有効回答は2,571社。
「現場」の労働力が不足
労働力不測の原因を聞くと、「求人に対する応募がない」が圧倒的に多く86.4%。次いで「離職者が多い」が25.4%、「応募が見込まれる待遇での求人募集ができない」が24.5%となった。
「求人に対する応募がない」と答えた企業を業種別にみた場合、最も多かったのは飲食業の95.1%で、以下、小売業が91.4%、製造業が85.6%、卸売業が84.1%と続いた。また飲食業は「離職者が多い」との回答(48.8%)が他3業種より多く、同社は「安定的な雇用の確保が難しいことがうかがえる」と推測している。
労働力が不足している職種は、「商品生産(単純作業)」が62.0%でトップ。次いで「商品生産(熟練作業)」が43.0%、「営業・販売」が40.6%と続いた。労働力が不足している職種を業種別にみると、製造業は「商品生産(単純作業)」「商品生産(熟練作業)」の回答割合が多く、他3業種は「営業・販売」「流通や運搬に関する作業」が多かった。同社は「各業種において、いわゆる『現場』で必要とされる労働力が不足している」と分析している。
労働力不測の解決案として効果が期待できるものは、「労働条件の改善(賃金の値上げ、勤務時間の短縮等)」が69.7%、「作業工程の機械化」が42.2%、「外国人技能実習生の受け入れ」が30.9%と続いた。