島津製作所は12月1日、航空機器事業における注力製品である民間航空機用装備品の製造に特化した子会社「島津エアロテック株式会社」を設立したと発表。同社は島津製作所100%出資会社で、フライトコントロールシステム向け機器、アクチュエータ、ギヤ関連製品など民間航空機用装備品の製造に特化することで生産効率を向上させ、競争力を高めて業績拡大に広げることを目指す。

中でも重点を置く、フライトコントロールシステムに使用されるギヤ製品やエンジンアクセサリギヤボックスに組み込まれる高速回転ギヤに対しては、高難度な機械加工に対応できる機械設備群を新たに導入し、専用の製造ラインを増設する。数十の製造工程を経て完成する航空機用ギヤには、極めて厳重な寸法や品質の管理が求められるため、同社では内製化を進めている。

また、民間航空機向け装備品における同社の主要顧客は主に米国に位置していることから、材料調達や高難度な機械加工を国内の島津エアロテックで主に行い、部品調達や組立を米国子会社 Shimadzu Aircraft Equipment USAが担うなど、同社グループ全体でサプライチェーンの最適化を推進し、リードタイム短縮や品質の向上を目指す。

同社は、航空機器事業拡大のための主要施策として民間航空機器事業に注力することで、収益体質の強化を図る。島津エアロテックの代表取締役社長は本郷祐自氏、所在地は京都市中京区西ノ京桑原町1(島津製作所 本社・三条工場北地区内)。資本金は1億円(島津製作所100%出資)。2018年4月(予定)より稼動を開始し、従業員数は約70人(稼働開始時点)となる。