東京急行電鉄は30日、田園都市線の新型車両2020系を公開した。2018年春に10両編成を3編成、計30両を導入し、その後も順次導入予定とされている。これまでにない新しさを感じられる外観・車内空間とし、快適性を安全性を追求するとともに、沿線の街や駅と調和した車両をめざす。

  • 東急田園都市線の新型車両2020系。2018年春の導入を予定している

新型車両2020系は、同社が展開する駅直結型商業ビル「エトモ市が尾」や渋谷駅構内の「渋谷ちかみちラウンジ」、「渋谷ヒカリエ ShinQs」の多機能レストルーム「スイッチルーム」などを手がけた丹青社がデザイン監修を担当。田園都市線沿線の駅や街との親和性を高めた車両となる。外観は「INCUBATION WHITE」(美しい時代へ孵化していく色)をコンセプトカラーとし、丸みを帯びたやわらかみのある顔をイメージした先頭形状も特徴となっている。田園都市線の路線カラーのラインも入った。

車内は快適性向上のため、座席をハイバック仕様として座り心地を改善。デジタルサイネージはドア上と連結部に加え、座席上にも3連で配置し、ニュース・天気予報をはじめとする情報サービス提供と多言語案内の充実を図る。荷棚の高さは低い位置へ変更し、荷物の積み下ろしを行いやすい形状に変更。車いす・ベビーカー利用者に配慮したフリースペースは全車両に設置される。東急電鉄では初という空気清浄機「ナノイー」の設置、冷房・暖房機能の向上などで車内環境が改善されるほか、車内防犯カメラも設置される。

  • 新型車両2020系の車内

  • 外観は路線カラーのラインも特徴

新型車両2020系では車内の全照明と前照灯・尾灯にLED灯を採用。低騒音型の主電動機や駆動装置を採用することで沿線および車内空間の騒音が低減され、田園都市線の既存車両8500系の車外騒音と比べて約10dB低減されるという。踏面ブレーキとディスクブレーキの併用でブレーキ性能の向上も図る。機器の状態監視が常時可能な大容量情報管理装置を採用し、車両故障を未然に防止することで運行のさらなる安定化を実現。沿線環境に優しい車両をめざし、安全性の向上にも努める。