「スター・ウォーズ」の武器といえば、誰もが真っ先に思い浮かべるのがライトセーバーだろう。ブゥンという音とともに光り輝くプラズマの刃……もうこの字面だけでほとんどの人が同じ映像を共有できるのだからライトセーバーは偉大である。
そんなライトセーバーを持ってジェダイになろう! というコンセプトのガジェットはこれまでにも多々あったが、ついにもっとも本物に近い製品が登場した。それが「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」である!
Lenovoとディズニーが共同で開発し、11月30日から発売開始となるARゲームキットだ。今回、そんなジェダイ・チャレンジを一足先に体験できたので、一体どんなものなのかを紹介しよう。
冒頭でも述べたように、ライトセーバーのプラズマの刃は現代科学をもってしても再現不可能である(当たり前だが)。もしかしたら科学の粋を結集すればそれっぽいものは作れるのかもしれないが、少なくとも一般人が手にできるような代物ではない。
それなら柄部分は普通に用意して、現実で不可能なプラズマ部分は映像で再現。2つをリアルタイムで合成してしまえばいいじゃないか、という発想から生まれたのがジェダイ・チャレンジといえる。
現実世界に映像を重ねるこの方法は拡張現実(AR:Augmented Reality)と呼ばれており、今もっとも注目されている技術の1つだ。
ジェダイ・チャレンジを遊ぶまで
ではさっそくジェダイ・チャレンジで遊んでみよう。まずは準備からだ。
ジェダイ・チャレンジ一式が入った箱。そこそこの大きさがある。もうこのパッケージだけで興奮してしまう人も多いのでは。
内容物は主にこの3つ。ARヘッドセットとライトセーバー型のコントローラー、そしてプレーヤーの位置情報を取得して映像と合成する鍵を握るトラッキングビーコンである。それからもう一つ、遊ぶ上で大事なのはスマートフォン。
付属のスマホトレイに収納してARヘッドセットに入れるのだが、それをしてしまうともうスマホには触れなくなる。
なので、先にジェダイ・チャレンジのアプリをダウンロードし、ライトセーバーとBluetoothで接続しておく必要がある。おっと、もちろんライトセーバーとARヘッドセットは充電を忘れずに。トラッキングビーコンにも電池を入れて、スイッチをオンにしておこう。 Bluetoothで接続するには、ライトセーバーの電源を入れ、スマホのBluetoothをオンにした状態でアプリを進行し、Bluetoothで接続せよという指示が出たら、ライトセーバーのスイッチを押すという手順。
英語の解説を読むのをサボっていたら、この手順がわからずにしばらくあたふたしてしまったのでご注意を。接続できたら画面の指示に従ってライトセーバーを振り、キャリブレーションする。
設定がすべて終了したらいよいよスマートフォンをトレイに収納してARヘッドセットにイン!
対応するスマートフォン一覧は公式サイトを参照してほしいが、たとえばiPhone 7と7 Plusのように大きさが異なっていても両方取り付けられる。これはトレイについているスライド式のシャッターで、スマートフォンの位置調整ができるからである。なるほど。
ARヘッドセットに差し込んだら忘れずにケーブルをつなぐ。これで、スマホアプリ、ライトセーバー、ARヘッドセットのすべてがそろった。
ライトセーバーゲットだぜ! めざせジェダイ・マスター
トラッキングビーコンを少し離れた場所に置いて、ARヘッドセットをかぶる。ライトセーバーを持ったら、さあジェダイになるときがやってきた!
うおおおおお!
これはすごい! ライトセーバーがうなりをあげる!
気分はまさにジェダイだ。
……すみません。ぜんっぜん、伝わりませんね。
そう、この手のARやVR系のガジェット紹介で大変なのは、"今体験しているすごさ"を文字で伝えにくいということなのだ。自分の目の前に広がっている光景を説明しにくいのがもどかしい。
しかし、今回はいつもと事情が異なる。特別にレノボ・ジャパンさんのはからいで、ARヘッドセット内にGoProを仕込んだスペシャルヘッドセットを体験させてもらうことになった。これならプレーヤーが見ている視点をそのままGoProで撮影してお伝えできる!
体験した様子を2分程度の動画にまとめたので、そちらをご覧いただきたい。ちなみに場所はレノボ・ジャパンの会議室である。
見ました? すごくない?
ライトセーバーのあのブゥンという音もたまらないし、構えている間、ずっとブブブブ……と鳴っているのもリアル。音楽やキャラクターのぬるぬるした動きもよくできているし、何より「ジェダイになるための訓練を受ける」というきちんとした設定が用意されているのがいい。
ゲームとしてはチュートリアルでライトセーバーの使い方を学び、その後ドロイド、トルーパーと戦ってから、ダース・モールに挑むという流れ。いきなりダース・モールに挑戦することもできるが、AR映像で斬りかかられると普通に怖い。ドロイドで腕を磨いてからが良さそうだ。
ライトセーバーは敵の弾を弾き返したり、斬ったり、あるいは構えてガードもできる。動画ではまったくガードできていないが、これは筆者が説明をよく聞いていなかったせいである。
しかし、この映像、本当によくできている。バシュウウンという効果音や振動のおかげで、しっかりとした「手応え」が感じられるのだ。
このバトルモード以外にも、ホロチェスや戦略バトルといった別ジャンルのゲームが楽しめる。ホロチェスはボードゲームで、戦略バトルはRTS(リアルタイムストラテジー)っぽいゲームだ。これはこれで楽しいけれど、やっぱり一番楽しいのはライトセーバーでのバトルなのは間違いない。
スマホ、Bluetooth、ARなど様々なテクノロジーの組み合わせによって生まれた「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」。ぜひ“本物のライトセーバーを振る感覚”を味わってみては。