2017年10月より放送中のTVアニメ『Wake Up, Girls! 新章』。『Wake Up, Girls!』シリーズの最新作である本作品の主演・主題歌を担当するのは、もちろん声優ユニットのWake Up, Girls!だ。
今回は、Wake Up, Girls!のメンバーから永野愛理、青山吉能、山下七海の3人にインタビューを敢行。11月29日に発売した『新章』のオープニングテーマ「7 Senses」とエンディングテーマ「雫の冠」を中心に、各メンバーの個性や、2017年の振り返り、そして結成5周年となる2018年をどういった年にしていきたいかなど、たっぷり話を聞いた。
●デビュー時と変わったことは
――「7 Senses」を最初に聴いたときの印象は?
青山 まずTVアニメ『Wake Up, Girls!』の主題歌「7 Girls War」を思い出しました。
山下 うん。アニメも『新章』に入って、2年が経過して、楽曲も「7 Girls War」から「7 Senses」とつながりを持たせたものになっている。作品の中でも時間が進んでいるんだなという印象でした。
永野 似ているところもありつつ、進化・成長した部分を楽しんでもらいたいですね。それは曲もそうだし、Wake Up, Girls!についても。『新章』のWUGちゃんたちもそれぞれ個性が出てきて、自分にあった仕事をし始めているのと同じく、私たちWUGの7人も2013年から活動を続けてきて、個性が見えてきました。そういった一人ひとりの力がひとつになって大きな力になる。「7 Senses」にはそういった意味が込められているのかなと思います。
青山 そうそう。アニメのWUGも私たちもこれまでは横並びだったけど、いまはみんなの強みが見えてきました。
――まさに歌詞にもある"7つのセンス 7人の個性"ですね。いつごろからメンバーの個性を感じられました?
山下 なんかみんな急に変わり始めたよね。
永野 最初のころはクラスに居る普通の7人の友だちって感じだったんですけど、いつからか個性の集まりになったなって瞬間がありました。
青山 自分で変えようと思ったところもあるけど、環境が変わったってのも大きいと思います。それこそデビューしたころの仕事はWUGだけで、上京した子もいれば、まだ地元にいる子もいて、WUGのために東京に来て帰るという生活でした。そこから環境や心境の変化があって、それぞれ考え方も変わっていきました。
――Wake Up, Girls!は2013年に結成して来年で5周年。デビュー時といまで一番変わったメンバーは?
青山 まゆしぃ(吉岡茉祐)ですね。
永野 あー、そうかも。センターという重みもあって、最初のころは殻を破るのが遅かった印象です。破ったのは最近ですね、ほんとに。自分では格好良いキャラを目指しているって言いつつも、乙女チックなんですよ。
山下 純粋だしね。
――ではこの流れでほかのメンバーについてもお聞きしていきたいです。田中美海さんはいかがでした?
山下 当時から芯があって明るくて、完成されてました。たまにロボットなんじゃないかなってときもありましたけど(笑)。
永野 冷静だったよね。一緒にふざけてくれるし、一緒に泣いてもくれる。
青山 自分を持っていいて、自分を俯瞰で見ることができる。デビュー当時はそれが恐ろしいなって思いました(笑)。
永野 たまーに等身大な部分が出て、そういうときの年相応なみなみはかわいいんです!
青山 ファンのみなさんがみてるみなみとは違うかもしれません。凛としてるんです。
――意外ですね。奥野香耶さんは?
青山 かやも殻を破ったねー。
永野 被ったけどまだ底が知れない。深いです。まだまだ知らないことがたくさんある。繊細かと思っていたんだけど、結構男らしい一面もあるんですよ。
青山 いまはそこに触れられるようになりましたね。
山下 おたがい出会ったばかりで探り合っている時期はブラックホールみたいでした。前は見えなさすぎて踏み込むのが怖かったんですけど、いまはもうわかっているので踏み込めますね。
――高木美佑さんはどのような変化を?
青山 みゆは自己プロデュースがちゃんとできるようになったと思います。昔は考えこんで、それがうまくいかないってことが多くてもやもやすることが多かったんですけど……って、私は誰目線で語ってるんだ(笑)。
山下 いまはダイナミックだよね。
永野 そう。いつになっても無邪気なのが変わらない。自分のことを考えて泣くこともあるけど、いつも元気で太陽みたいな子です。
●個性を仕事にさせたらナンバーワン
――今回集まったみなさんについてはどうでしょうか。
青山 ななたろうはね、昔は結構かたくなだった。
山下 そうだっけー。
永野 最初のころは、徳島から出てきた普通の女子高生みたいな感じだったのに、ほんとに大人になったなあって感じます。
山下 昔はねー、徳島の温かい環境で育ったから(笑)。あのころは物事を深く考えてなくて楽観的でした。
青山 ぬるーんってしてた。
永野 徳島のあったかさがいつも出てたよ。
青山 発言のフォローがすごい(笑)。
永野 でもほんとWUGに居てくれてよかったよ。引きつけてくれる力がすごくあるし、魔法の笑顔を持ってる。
青山 あいちゃんは明るくなったよね。
山下 うん。よくしゃべるようになりました。
――そんなに?
青山 メンバー全員で一列で並ぶときなんて、いつもひとりだけ後ろの方にいたんですよ。「そっち照明当たんないよー」みたいな。
永野 やっぱり当時は7人で居るのが難しくて。学校の友だちになら何も考えずにしゃべれるんですけど、7人だと自分がどのタイミングで話に行けばいいかとかがまったくわからなくて。いまはみんなのことがわかっているので、誰がどういう話をするかとか、「こういうときは、こういう話の流れに持っていくだろうな」ってわかるんですけど。仲が深まったんだなと感じます。
山下 WUGは東北楽天ゴールデンイーグルスとコラボして応援しに行くこともあるんですけど、そういうときにあいりが引っ張っていってくれるので、すごい頼りになります。
――永野さんといえば野球のイメージですもんね。
青山 プレゼン能力が高いんです。野球もそうだけど、めちゃくちゃ難しいことを知らない人にも理解させる能力があります。好きなアニメとかも、自分の観点で話したいはずなのに、初心者にわかりやすいように説明してくれます。それを生かしてコラムも書いてるし、自分の個性を仕事にさせたらナンバーワンです!
山下 ナンバーワンおめでとうございます。
永野 ありがとうございます。一位取りました!
●いつまでも「まだいける!」で
青山 次は私! どうですか。
永野 最初に会ったときと今ではギャップがすごい。最初はすごいキチンとしてたんだけど。
青山 おいおいおい。
山下 しっかりしてました。
青山 おいおいおいおい! みなのもの!
永野 あはは。いい意味で力が抜けたよね。最初に会ったときは硬かった。動作ひとつとっても考えながらやってた。コップを取るときも考えながらでした。
青山 あー。当時かやと同じ部屋になったことがあって、私は当然、目上の方が先にお風呂に入ると思っていたんですけど、「先にお風呂入っていいよ」って言われてどうしようってすごく困りました。
――考え方が体育会系(笑)。コーラス部に入っていたから上下関係がすごいと言っていましたね。
青山 そうなんです。何回も言われてしまったから断るわけにもいかないじゃないですか。入ったあとも、お風呂場をボディソープでピカピカに磨いて、使っていない自分のタオルで拭いて新品同様にして明け渡すということをしていました。
――その後入ったらびっくりしますよね。
青山 ぜんぜん濡れてないぞって(笑)。でも、それが礼儀なのかなという無駄なことを考えていました。
永野 やっぱり力が抜けたよね。
青山 みんなが居てくれるからだと思う。ななみだったらほっといてくれる良さがあるし、あいちゃんだったら突っ込んでくれるし……メンバーをちゃんと信頼できるようになりました。
――みなさんどれくらいから慣れてきたんでしょう。
青山 結構最近だよね。
永野 3年目とかから芽が出てきました。
山下 初期はライブのMCもひどかったんですよ。誰もしゃべりださないんです。
青山 台本がないとね。
山下 いまはステージ上でみんなとコミュニケーションを取りながらできるようになったというところが成長した点ですね。ようやくととのってきました。
青山 うん。でもまだいけるなって感じてます。いつまでも「まだいける!」って感じでいきたいですね。