京浜急行電鉄は29日、新1000形(17次車・ステンレス車)において全面塗装を復活させると発表した。ステンレス車の全面塗装は関東大手私鉄では初の試みで、京急電鉄の新造車では11年3カ月ぶりの全面塗装車両だという。2018年1月から順次導入される。
17次車の車両数は6両編成(車体番号1613~)が2編成12両、8両編成(車体番号1201~)が3編成24両。1月に6両編成1編成、2月に8両編成1編成の営業運転開始を予定している。8両編成は2018年2月の同社創立120周年に合わせ、車体番号に1200番台を使用する。
近年の鉄道車両は無塗装・フィルム貼りのステンレス車両が主流となり、現行の新1000形ステンレス車も先頭部のみ塗装し、その他はカラーフィルムをラッピングする手法を採用している。2016年以降の新造車では幅広の赤・白フィルムで全面ラッピング(ドアや窓枠などを除く)し、従来の「赤い電車」のイメージを高めてきた。
17次車の導入にあたり、「このたびの新造車からは"京急らしさ"を取り戻すために、あえて全面塗装を復活させます」と京急電鉄。全面エナメル塗装とすることで、ドア周りや窓枠まで赤・白を基調とした"京急らしさ"が表現され、光が当たったときの艶も強調されるという。来年度(18次車)以降の新造車も17次車と同様の仕様を予定している。
17次車の車内は16次車と同様、連結面車端部の片側を4人掛けボックスシート(2人掛け補助いす付き)とし、ボックスシート部にサービスコンセント2口を設置。ロングシート部の袖仕切りは大型化される。ドア上の情報提供装置(LCD)は2画面一体型となり、路線案内表示では従来の8駅から16駅に、広域路線表示では乗入れ先の路線までより詳細に表示できるようになる。乗換案内にピクトグラム(路線記号)を採用し、4言語(日・英・中・韓)表記とすることで訪日外国人利用客の利便性向上も図る。