娯楽の多様化が進み、“若者のクルマ離れ”というフレーズも一般化した昨今、クルマを単なる移動手段のひとつと捉えている人も非常に多くなっている。しかし、めったにお目にかかれない億を超えるような金額のスポーツカーがずらりと並ぶ光景は、男なら一度は見てみたくないだろうか?
激レアなスーパーカーの数々を無料で見学!
渋谷公園通商店街振興組合が11月24~25日の2日間、東京・代々木公園けやき並木にて「SHIBUYA SPORTS CAR FES 2017」を開催した。「車は維持費とかのコストがネックで……」なんていう次元ではない高級車を、タダで見て、触って、体感できるとあって、会場は多くの人で賑わいを見せた。
世界限定24台発売、アジアには1台しか存在しないというアストンマーティン「Vulcan(ヴァルカン)」は、その額なんと3億8,000万円。うまい棒換算だと3,800万本分である。もはや数字が大きすぎて、すごさがイマイチ実感できないレベル。 会場内には他にも、フェラーリやポルシェ、ランボルギーニなど、誰もが名前を知っているようなスポーツカーが20台以上も展示された。
バリエーション豊富な体験会も
同イベント中は車両の展示以外にも、さまざまな形でスポーツカーの魅力に触れられる体験会が催された。24日に行われたオープニングセレモニーでは、TGR(TOYOTA GAZOO Racing)アンバサダーの脇坂寿一さん、現役レーシングドライバーの中嶋一貴さん、小林可夢偉さんが登場。体験型のコンテンツを実際に楽しみながら、スポーツカーカルチャーの素晴らしさを語った。
TOYOTA GAZOO Racingが企画・プロデュースし、タミヤが監修した「Gravity Rally(グラビティ・ラリー)」は、リアルなカーレースを体感できると話題の的に。
専用のシミュレーターに乗り込み、ヘッドマウントディスプレイを装着すると、まるで目の前のコースに置かれたRCカーに乗り込んだかのような視界が広がる。なんと、カメラ付きのRCカーが撮影した映像が、そのままヘッドマウントディスプレイに映し出されるのだ。コースの傾斜に合わせシミュレーターが動くなど、臨場感も抜群。中嶋一貴さん、小林可夢偉さん両氏の超絶ウルトラスーパーレイトブレーキングを目の当たりにし、筆者も体験せずにはいられなかった。
タミヤブースでは、動きの異なる3種類の電動RCカーの操縦体験を実施した。お三方は、三輪のRCバイク「1/8RC ダンシングライダー」を体験。年功序列を無視したアツいレースを繰り広げた。
2012年のTRDラリーチャレンジ最終戦にも参戦したTRD86モデルの「1/10RC GAZOO Racing TRD 86」、6輪駆動な大迫力の「1/18RC コングヘッド6×6」もそれぞれ体験操縦コーナーを設けた。
また、会場内では、実際にレースで活躍するメカニックの腕前を見る機会も。スポーツカーのエンターテイメント集団「CARGUY」の面々が行う、レースさながらの高速タイヤチェンジ、レーシングカーの外装を取り外しての軽さの持ち比べ、まさかの車両手押し競争など、とにかく見どころ満載。抽選でピットクルー体験会や、スーパーカーの同乗走行も実施された。
お待ちかね、展示車両を一挙公開!
タミヤブースでは、RCの体験操縦コーナーのほかに、実車版ミニ四駆の展示も行った。世界に1台しかない、人が乗って操縦できるミニ四駆だ。マシンは「エアロアバンテ」。プラズマダッシュモーターを装備して一発目の走行で、コースアウトにより肉抜きボディを破損した苦い過去を思い出してしまった。
このほかにも、会場には数々の珍しいスポーツカーが展示された。その迫力は、イベントと知らずに通りがかった人も足を止めるほど。最高峰の技術力がこれでもかと詰め込まれたスーパーカーは、全体のシルエットもさることながら、パーツの一つひとつまで美しい。遠くから眺めるもよし、近寄って内装を覗き込むもよし、憧れのクルマたちを前に大人も子どもも目を輝かせていた。
クルマ関係のフェスは郊外で行われることが多いが、同イベントの開催場所は代々木公園という絶好のロケーション。クルマ好きのお父さんから、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』世代の20~30代、トミカに夢中なキッズまで、郊外のイベントにはなかなか行きづらいという人も多く訪れ、スポーツカーカルチャーの盛り上がりを予感させる2日間となった。