京都の伝統的な家庭料理として知られる「おばんざい」。旬の野菜などを使ったヘルシーなメニューは地元で愛されているだけではなく、京都を代表する味として全国的にも注目を集めている。今回はそんなおばんざいが、たった500円で食べ放題になるという情報を入手! 早速取材に向かった。

おばんざい、サラダ、おかゆ、味噌汁……どれも素材と出汁のやさしい味が、朝一番の身体に染み渡る。これらぜ~んぶ食べ放題で500円!

平日にも関わらず早朝に行列!

目指す店は「都野菜 賀茂」四条烏丸本店。おばんざいなどが食べ放題になるのは、8~10時という朝食の時間帯だ。いつもより早起きして眠い目をこすりつつ家を出る。出勤するサラリーマンやOLに交じって電車に乗った。

「都野菜 賀茂」があるのは、にぎやかな四条通の一本南の落ち着いた通り

「都野菜 賀茂」は地下鉄四条駅から徒歩3分の、にぎやかな四条通から一本南の綾小路通にある。開店の15分前に到着したのだが、平日にも関わらずすでに20人ほどの行列が……。かなりの人気店のようだ。期待を込めつつ列に並ぶ。

開店15分前。すでに20人ほどの列が!

具沢山のおばんざいと採れたての生野菜がずらり

そして開店。一定人数ごとに案内されるので、店内が込みすぎないのがうれしい。店内は現代的でオシャレな印象。シンプルですっきりとしたデザインなので、男性も女性も入りやすいだろう。間接照明なども取り入れられ、ゆったりした空間で食事を楽しめる。

店内は現代的でおしゃれな印象。間接照明なども取り入れられ、ゆったりした空間で食事を楽しめる

壁には京都野菜の季節の移りかわりイラストも

早速、バイキングに参戦。おばんざいには、ひじきの五目煮込み、切り干し大根の具沢山煮込み、九条ねぎと納豆の和えといったヘルシーな料理が並ぶ。なお、メニューは日によって異なるそう。

今日のおばんざいは、ひじきの五目煮込み、切り干し大根の具沢山煮込み

さらに、九条ねぎと納豆の和えなるおばんざいも!

おばんざい以外にも、店の名物「畑バー」ではレタスやモヤシ、春菊など、その日の朝に採れたみずみずしい野菜のサラダが味わえる。もちろん、全て京都産だ。「畑バー」の上には野菜の生産者の写真が掲げられ、地域と農家の方を大切にしたいという店のポリシーが伝わってくる。

店の名物「畑バー」には、全て京都産の野菜が並ぶ

普通のサラダバーにはない珍しい野菜も

畑バーの野菜には、総料理長監修のオリジナルドレッシングや特製の一味マヨネーズをかけていただく。今回は「旬野菜ミックスドレッシング」をかけてみた。

「畑バー」の野菜サラダにオリジナルドレッシングをかけて。おいしそう!

並んでいるメニューは「和」がメインだが、主食にはパンもチョイスできる。ちなみに、パンは京都のベーカリーショップ「進々堂」のもの。ここにも地元食材へのこだわりが見られる。他にも味噌汁、うどん、シリアル、そして、ソフトドリンクも食べ放題・飲み放題となっている。

そば出汁の効いたおかゆも美味!

ひじきや切り干し大根、納豆などのおばんざいを食べると、素材と出汁のやさしい味が朝一番の身体に染み渡った。濃い目の味つけの料理やジャンクなものに慣れて食材本来のおいしさを無視していたかも……と日々の食生活を反省。

畑バーの野菜はどれもみずみずしく、野菜そのものの歯ごたえと味が伝わる。お店の人によると、新鮮な野菜ほど栄養価が高く「うまみ」が強いそう。そのうまみがオリジナルドレッシングによって、最大限に引き出されている。

加えて、ぜひとも味わってほしいのが「和風がゆ」。ほんのりとそばだしの風味がするが、おかずの味を邪魔しないバランスが絶妙。朝から新鮮な野菜をたっぷり食べて、体が浄化された気分だ。

京都産の米をつかった和風がゆ。ほんのりとそばだしの風味がするのが美味!

農家からの直接仕入れで低価格を実現

しっかり食べ終えたところで、「都野菜 賀茂」四条烏丸本店の管理責任者・須賀さんに、朝バイキングについてのお話を聞いた。

――開店前からたくさんの人が並んでいてびっくりしました。大人気ですね!

はい、おかげさまで好評です。特に観光シーズンや土日祝日は、朝の開店と同時に定員いっぱいになることもありますね。絶対食べたい場合は、開店より早めにくることをオススメします。

――朝のバイキングで「おばんざい」が味わえるのは珍しいと思いました

そうですね。京都は全国的に見てもパンの消費量が多く、お店のモーニングも「パンとコーヒー」というスタイルが一般的。朝からおばんざいを味わえる店は少ないんです。当店も最初は昼と夜の営業だけで、朝バイキングは行っていませんでした。しかし、観光客だけでなく、地元の方にもリーズナブルに京都産の野菜を味わってほしいという思いから朝バイキングを開始。結果好評をいただき、毎日のように通ってくれる方もいます。

「畑バー」の上には野菜の生産者の写真が掲げられている。地域を大切にしたいというお店の意気込みが伝わる

――何といっても500円で食べ放題というのが魅力的でした! なぜここまでの低価格を実現できたのでしょうか?

当店では、京都の農家の方から丹精込めて育てられた野菜を直接仕入れています。卸売業者を通さず直接やりとりすることで、この低価格が実現できました。

――店名にもなっている「都野菜」。聞きなれない言葉ですが「京野菜」との違いは?

一般に知られている「京野菜」の中には、実は京都の畑で育てられていない野菜も多数出回っているんですよ。「都野菜」は「京野菜」の指定品種にとらわれず、京都で育てられた有機・無農薬または減農薬野菜のことを指します。本当の京都の恵みに気づいていただきたいと考え、あえて「都野菜」という言葉を使っています。

――実際に食べてみて、どのメニューも素材のやさしい味がしておいしかったです。調理法などへのこだわりはありますか?

朝バイキングのおばんざいは味を薄目にして、出汁や野菜本来の味を引き出すようにしています。また、新鮮な京都産の野菜を使った「畑バー」では、あえて野菜を皮つきや大きめに切っているので、野菜本来の甘みやうまみを味わってもらえます。野菜が苦手なお子さんも、「普段食べる野菜と全然違っておいしい」といってパクパク食べてくれますよ。

――最後に「マイナビニュース」読者へのメッセージをお願いします

今回は朝バイキングのご紹介でしたが、昼や夜はおばんざい等のメニューが入れ替わり、但馬牛・京の都もち豚・上林地飼鶏など、こだわりのお肉が食べ放題のコースもあるので、こちらもオススメです。四条烏丸本店意外にも京都水族館前と河原町に店舗があるのでぜひお越しください!

京都のベーカリーショップ「進々堂」のパンも食べ放題。外国人旅行者にもうれしい。もちろん、ソフトドリンクも飲み放題!

早起きは三文の徳。京都観光の際は少し早起きして、採れたての都野菜を使った料理を味わいに訪れてはどうだろう。

●information
都野菜 賀茂 四条烏丸本店
住所: 京都市下京区東洞院通綾小路下る扇酒屋町276
営業時間: モーニング8~10時(ラストオーダー9時30分、定員100人)、ランチ11~16時(ラストオーダー15時)、ディナー17時30分~23時(ラストオーダー22時)
価格: ランチ890円~、ディナー1,370円~

※価格は税込