北欧風のすてきなインテリアが人気。「モノが多いか少ないか」ではなく、お気に入りに囲まれているから片づけがうまくいく。そんな北欧流を取り入れて、ホッコリとした自分時間が過ごせる部屋にするポイントを紹介します。

インテリア映えする収納兼用家具を選ぶ

部屋の広さや形はそれぞれに違いますが、一つの部屋にベッドや収納家具などたくさんの家具を置くと、部屋が狭くなりがちです。本来は床面の見える範囲を広くすることが、ゆったりとした部屋づくりのキーポイント。北欧の子ども部屋やアパート住まいのシングルも、部屋を広く使うための工夫をしています。

そのためベッド下が収納になっていて、ソファのように見える家具を選んだり、ロフトベッドで空間を立体活用したり、使わないときにはたたんで部屋の隅に片づけられるローテーブルを置いたりするなど、部屋での過ごし方に合った家具を選ぶことが大切です。さらに統一感のある家具選びも重要で、白か白木のものでそろえておくと、モダンでシンプルな北欧スタイルのベースができあがります。

オープン棚で実用&ディスプレイ

部屋にクローゼットが備え付けられていても、そのスペースだけではモノが収まらないといったことがよくあります。とは言え、モノを減らしてミニマムな暮らしにすることだけが解決法ではありません。北欧ではお気に入りのモノを長く大切にする習慣があり、そういった愛着品と過ごせる部屋づくりが行われています。

例えば、いつも使うわけではないけれどしまっておきたいモノは、ベッド下やクローゼットの棚に保管。日本の暮らしでは、シーズンオフの衣類や寝具をしまうといった感覚です。それとは逆に、よく使うモノや眺めたいモノは室内に扉のないオープンラックを置いて、そこに整理整頓しておきます。そのラックを白や白木にすると部屋に同化しやすく、黒やメタルにするとアクセントになります。扉がないので、細々したモノはカゴや箱を使って目立たないようにする道具を利用。それは日本ならではの豊富な品ぞろえから選びます。

北欧では広い部屋であっても、背丈ほど高さのある家具を置かないようにしているようです。カウンター程度の高さの収納家具を置いて、家具の上には花や置物を飾り、壁には絵やポスターをディスプレイして、そこを部屋のアクセントにするという方法。心地よい部屋づくりのインテリアと整理収納とが同時に行われているのです。

自分らしい色使いとぬくもりをプラスする

北欧インテリアのなかでも、私たちがなじみやすいのはモダンなスタイル。その特徴の一つに色使いがあります。白を基調にして黒を組み合わせたクールな部屋、赤や青などのビビッドな色を取り入れたポップな仕上がり、グレーがかったベージュやグリーンを使ったシックで落ち着いた雰囲気にするなど、好みに合わせて色使いの方向を定めておくとうまくいきます。

白や白木をベースにした部屋に色を加えるときには、クッションやブランケットなどのインテリア小物で取り入れます。見える面積の大きい布団カバーは、色使いの方針にそって室内で目立たせるのか同化させるのかで結論を出しましょう。

最後に照明で部屋をアップグレード。一つの部屋の中で眠る、くつろぐ、食事する、作業をするといった生活が展開されるので、シーンに応じた灯りを使いましょう。部屋全体を照らす照明がメインではあるものの、テーブルランプやフロアスタンド、キャンドルなど特定の部分を照らしただけの空間で過ごせるようにします。

疲れて帰宅したら、片づけるよりも癒やされる時間を持つことが優先。元気がもらえる部屋にしたいですね。

すはらひろこ
整理収納アドバイザー認定講師・一級建築士・インテリアコーディネーター。インテリアのプロならではの収納術が、オシャレでやる気がわくと好評。片付け講座を定期開催するほかテレビ・雑誌でも活躍。著書「シンプルに暮らす 無印良品で片づく部屋のつくり方」(エクスナレッジ)、「朝、着る服に迷わないハッピー収納術」(大和書房)、「1分からはじめるかたづけ術」(だいわ文庫)など著書・監修書多数。
http://ouchisuteki.com/