「お歳暮」「お中元」という言葉は誰しも耳にしたことはあると思いますが、いつ、誰に、どんなものを贈ったらいいのか知っていますか。感謝の気持ちを伝えるものだからこそ、マナーを守って気持ちよく贈れるようにしましょう。
仕事で上司から「取引先の○さんにお歳暮贈っておいてよ」と言われたら、あなたはすぐに「はい!」と返事ができますか。初めての経験でも戸惑わないように基本的な知識とマナーを身につけておきたいものです。
お歳暮・お中元とは
そもそもお歳暮お中元とは、お世話になった方に日頃の感謝を込めて、贈り物を贈る習慣のこと。ただし、それぞれ時期が異なり、お歳暮は年末(12月初旬から20日頃まで)、お中元は夏(7月初旬から中旬まで)に贈ります。ただし、地域によって時期は若干ずれますので、お送りする地域の風習を確認してから贈ると、よりていねいです。
お贈りするのは、親や親戚、会社の上司、取引先など、日頃からお世話になっている方。仕事上のお付き合いのある方に送るべきかどうかは、会社の慣習などもあるので、上司や先輩に確認し、その状況で判断しましょう。
贈る相手によりますが、贈り物の相場は3~5千円程度が一般的。食料品を贈ることが多いですが、相手のことをよく知っているのであれば、好みに合わせて選ぶのがベストです。
「のし紙はどうしますか?」と聞かれたら?
お歳暮やお中元を贈るときに聞かれるのが「のし紙はどうしますか?」という質問です。基本的には「お中元用のものでお願いします」と答えれば大丈夫ですが、紅白の蝶結び(花結び)の水引で、表書きには「お歳暮」もしくは「お中元」とあるものを使うことを覚えておきましょう。
また、「内のしにしますか。外のしにしますか?」と聞かれることもありますが、これは厳密な決まりがありません。どちらでもマナー違反になることはありませんが、内のしにすると、宅配で送るときに熨斗が傷つかずによいとされています。また、外のしにすると、表書き(例えば、お歳暮や結婚祝など)が見えるので、どんな目的で贈り物をしたのかが伝わりやすくなります。
自分がお歳暮・お中元をもらったら、どうしたらいい?
もし自分がお歳暮やお中元をもらったら、まず当然のことをしてお礼をしましょう。ていねいなのはお礼状を書くこと。最近は親しい人同士であれば、電話やメールで済ませることもおかしくはなくなってきています。贈り主とどのような間柄なのかを鑑みて判断しましょう。
お歳暮やお中元は基本的にお返しをする必要はありませんが、これも間柄によって、受け取るだけでは心苦しい場合、同等程度の品を贈ってもよいです。ただし、相手より高額なものをお贈りするのはかえって気を使わせることになりかねないので、やめた方がいいでしょう。
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー:河野真希
ウェブや雑誌など各種メディアで、料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを目指すライフスタイルを提案。著書に『ひとり暮らしの季節ごよみ』(祥伝社)、監修本に『家事のお手本-大人のたしなみ賢いくらし』(泉書房)『頑張らなくても素敵に暮らせる「夜だけ家事」で快適シンプル生活』(双葉社)などがある。
河野真希オフィシャルサイト(http://www.kawano-maki.net/)