シンガーソングライターの片平里菜(25)が20日、都内でファン20人を招待した弾き語りの生歌ライブを都内で行った。12月20日発売の3rdアルバム『愛のせい』から「子供時代」「異例のひと」「山手通り」「からっぽ」を披露した後、ファンから寄せられた質問にも気さくに回答。片平の優しさあふれるプレミアムライブとなった。
片平はアルバムリリースを記念し、先行シングル「愛のせい」のSNSシェアキャンペーンを実施。音楽ストリーミングサービス・Spotifyのバイラルチャートで4日連続1位になったことを受け、キャンペーン参加者の中から抽選で20人を招いた。
会場入りした片平は「近っ!(笑)」と間近のファンをうれしそうに驚き、「相当近いですね。緊張されていると思いますけど、いつも通りにやりますので楽しんでください。よろしくお願いします」とあいさつ。まずはファンの緊張を解きほぐし、「完全アンプラグドなので、聞こえづらいなと思う方がいたら言ってください。ギターを弾く強さや声をがんばってコントロールします」と呼び掛けた。
続けて、「バイラル1位取ることができました。ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝え、「みなさんに特別に、次に出るアルバムの中から何曲か披露したいと思います。ちょっとまだ体に入りきっていない新曲たちなんですけども」と照れながら不安も口に。「子供時代」を歌い上げ、「今日人生で初めてローラースケートをしました」「たくさんいた子どもの目の前でバタバタ転んだので余計危なかったんですが(笑)。でもコツを覚えて歩けるようになったり、スイスイ前に進めるようになったりして、初めて歩くことを覚えた子どもみたいに『楽しい!』となって。そういう気持ちも『子供時代』という曲に合わさって。そんな気分で来ました(笑)」と日常の出来事と楽曲を重ね合わせる。
「異例のひと」を終え、「今回のアルバムの舞台となって気持ちが赴いている場所が東京なんですが、私が地元(福島)から東京に引っ越して一人暮らしをはじめたのが大きくて」と懐かしむ。「行き来している頃は夜行バスで山深いところからビルの街明かりが見えて来ると不安や期待を感じていたんですけど、最近は街明かりがホッとするものになってきました。東京という街の道とか生活感とかそういうのもだんだん愛せるようになってきて、アルバムにもそういう曲が何曲か入っています」とアルバムのテーマへとつなげる。
そうして初披露した「山手通り」。「名残惜しい」と言いつつ「からっぽ」で結び、「みなさんの表情と見守っている気持ちがダイレクトに伝わってきて、すごく緊張感もあったし、とてもホッとさせられました。ありがとうございました」と安堵の様子。冒頭ではファンを思いやったが、誰よりも緊張していたのは片平自身だったようだ。その後、寄せられた質問にも笑顔で答え、ファンとの交流の場を楽しんでいた。
ファンとの質疑応答
――『愛のせい』の中で一番自信のある曲。特に聴いて欲しい曲はありますか?(全部楽しみなのですが、あれば教えて欲しいです)。
全部です(笑)。が、一番書くのに苦労したのがタイトルの「愛のせい」。思い入れもあるので聴いてもらいたいです。今回のアルバムはプロデューサーを一人迎えて、一緒に制作していったんですけど、半年前からどういう作品にするか話し合っていて。毎月5~6曲を提出してというやりとりをしてたので曲はいっぱいあったんですが、「最高の仕打ち」や「amazing sky」みたいなフックとなる曲を生み出すまでに時間がかかって。半年以上経って、やっと出てきた曲です。
――歌を作っている時と歌っている時で、気持ちの変化はありますか?
逆です。全く違います(笑)。本当に曲を作っている時は、外の世界を遮断して自分と向き合う時間ではあるんですけど、そうやってできた曲を披露する時は全部遮断してたものを開け放って、オープンマインドな気持ちで臨んでいます。曲作りは家です。歌う時はこういう場所もだし、呼ばれたら全国あちこち行ってどこまでも広がります。
――好きな洋楽(今ハマっている曲)があれば教えてください。
いっぱいあるけど、結局戻ってくるところは、ビートルズを聴いてしまったりはしますね。「愛のせい」みたいに掘り下げて書いた曲は、何となくデビッド・ボウイとかジョン・レノンを意識して歌を聴いたりしていました。邦楽は、昨日ずっとエレカシを聴いて、深夜高速を気持ち良く走っていました。男の子に変身した気持ちになれるんです。
――好きなギターのコードは何ですか?
マニアックな質問(笑)。コードというか、何にも押さえない状態の開放弦の音が結構好きで、開放弦が多いコードが好き。
ギターを弾かない方はなかなか分からないかもしれないですけど、add9とか好きです。バレーコードという、人差し指で全部の弦を押さえないといけないコードがあるんですけど、それが未だにちゃんと押さえられてない時があるので苦労しています(笑)。がんばります。
――渋谷のオススメ料理店は?
最近行ったところは……まだ2回しか行ってないけどケニックカレー。いろいろなメニューがあるんですけど、1つメニューの名前を募集してて。もう1つの決まってたメニューの名前が「恐竜の卵」みたいな名前だったのでちょっと古風な感じがいいかなと思って、ライスが真ん中にポンッとあってカレーがのっかっていて、その両脇にソーセージがあって。『"卑弥呼カレー"でお願いします』と言ってみたら、それで決まったみたいで(笑)。片平里菜が名付け親なので、ぜひ食べに行ってください。
――里菜ちゃんが好きなおにぎりの具は何ですか?
味覚がお子様なのでツナマヨネーズとか好きなんですけど、小学校の時にお母さんが作ってくれたおにぎりの具材が好きで、それが卵味噌。卵に味噌と砂糖と出汁を入れてスクランブルエッグみたいにしたものがおにぎりに入ってたんですけど、それが好きでした。最近思い出して作って食べたりしていました。