ユナイテッド航空(本社: シカゴ)は11月7日、ボーイング747による最終便の運航を完了した。ユナイテッド航空は同型機の引退を記念し、最終便となるUA747便では、機内食、客室乗務員の制服、機内エンターテイメントに至るまで、B747が就航した1970年当時を再現し、乗客・乗務員・招待客など合計300人以上を乗せて、「空の女王」として優雅にサンフランシスコからホノルルへ運航した。

11月7日、ボーイング747による最終便の運航を完了

ユナイテッド航空が747-100の1号機を受領したのは1970年6月26日のこと。2017年1月11日に、2017年第4四半期に747-400型機を引退させる計画を発表し、10月29日にソウル=サンフランシスコ線において747の最後の国際線運航を完了。今回、11月7日に747の引退を記念し、1970年の就航当時を再現しレトロ・イベントを開催した。

1970年の就航当時を再現しレトロ・イベントを開催

このラストフライトは、初飛行と同じルートであるサンフランシスコ=ホノルル路線となった。なお、同最終飛行便を9月に発表した際、その航空券はわずか90分で完売となった。

1970年当時を再現し、乗客・乗務員・招待客など合計300人以上を乗せて、「空の女王」として優雅にサンフランシスコからホノルルへ運航

ユナイテッド航空のオスカー・ムニョス最高経営責任者は、「B747は空の旅に新時代をもたらした特別な航空機であり、お客さまや弊社の乗務員から愛されてきました。今日はうれしさと悲しさが交錯する特別な日となりますが、人々を結びつけ、世界をさらに小さくした『空の女王』の革新的な遺産は、今後も新世代の長距離向け航空機へと受け継がれることになります」とコメントしている。

写真ブースで撮影できる1970年代のレトロな乗務員ユニフォーム、さらには乗客や社員がサインできる等身大の引退記念カードやケーキが用意された

11月7日朝、引退記念パーティがサンフランシスコ国際空港の出発ゲートにて開かれ、B747の写真展示のほか、写真ブースで撮影できる1970年代のレトロな乗務員ユニフォーム、さらには乗客や社員がサインできる等身大の引退記念カードやケーキが用意された。ムニョスCEOは、ジェリー・ヒル上院議員、ボーイング社およびプラット・アンド・ホイットニー社の役員らと共に、同便を見送った。

着陸地のホノルルでは、フライト到着後、ユナイテッド航空の代表者やハワイ州議会のヘンリーJ.C.アキノ議員がメッセージを送るなど、現地の社員が最終便の祝賀行事を開催したのち、歴史的な1日を閉じた。

フライト前もフライト中も、B747をめいっぱい楽しめる企画を展開

B747-400は民間航空機の中で、客室スペースが3万1,285立方フィート(約9,536平方メートル)と最大規模を誇る。機首から機尾までの長さは231フィート10インチ(約70m)で、ザトウクジラを5頭並べたのとほぼ同じ長さとなる。翼端から翼端までの距離は211フィート5インチ(約65m)で、ワシントンD.C.のリンカーン記念館よりも約10フィート(約3m)広くなっている。

主翼表面の面積は5,650平方フィート(約1,722平方メートル)で、標準サイズのNBAバスケットボールコートよりも広くなっている。典型的な大西洋横断飛行では、大型のアジア象の重量を上回る5.5t以上の食料を消費する。尾翼の高さは63.8フィート(約20m)あり、6階建てのビルの高さに相当する。

機内には延べ171マイル(約275km)の配線が張り巡らされており、それはニューヨーク・シティとボルチモア間の距離に相当する。B747-400は現在就航している旅客機の中で最速の機材のひとつで、その巡航速度は565マイル(約909km)/時と、F1レースカーの2倍以上の速さを誇る。