新千歳空港ターミナルビルディングは11月17日、国が進めている新千歳空港国際線ターミナル地域再編事業と協調し、施設再整備を行うことを発表。事業費約650億円(官庁エリア除く)で、出発・到着ロビー等の施設拡張やチェックインカウンターおよび保安検査レーンの増設、ターミナルビル付属ホテルの新設などを行う。工事は2020年3月末までを予定しており、工事が完了した部分より供用を開始する。

国際線旅客ターミナルビル ランドサイドからの増築部鳥瞰

新千歳空港国際線旅客ターミナルビルは2010年3月より供用を開始し、2016年度の国際線旅客数は272万人に達した。今後、2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催され、更なる需要が見込まれることから、今回の施設再整備を行うこととなった。

国際線旅客ターミナルビル増築部

主な工事内容は、出発・到着ロビー等の施設拡張、チェックインカウンターおよび保安検査レーンの増設、テロ対策などのセキュリティ強化、免税店等の商業施設の拡充、ターミナルビル付属ホテルの新設、出国エリア及び入国エリアの施設機能強化(国の整備)を予定。延床面積は、ターミナル部分が約12万4,000平方メートル(官庁エリア含む)、ホテル部分(4~8階)が約2万500平方メートルとなる。なお、既存ターミナル部分は地上4階建てで約6万1,000平方メートル(※官庁エリア含む)となっている。

国際線旅客ターミナルビル エプロンサイドからの増築部鳥瞰

フロア計画として、1階が車寄せ・手荷物荷捌場、2階が到着ロビー等、3階が出発ロビー等、4階が、ラウンジ・商業施設・ホテルフロント等、5~8階がホテル客室。チェックインカウンターは現状の47ブースを74ブースに、保安検査レーンは現状の4レーンを9レーンに、旅客搭乗橋(PBB)は現状の8基を17基(既存施設: 3基増設、増築施設: 6基新設)、出発荷捌搬送設備は現状の2基を5基に、到着荷捌搬送設備は現状の2基を5基にする。

新設するターミナルビル付属ホテルは、海外からの富裕層をターゲットにした高級ホテルを予定。温浴施設や高級レストラン、スパなどを併設し、スタンダードルームから最上級スイートまで約180室の客室を計画している。

国際線旅客ターミナルビル増築部 チェックインロビー

旅客取扱部は2019年8月より、ホテル部は2020年1月より、それぞれ供用開始を予定。施工者(建築・設備工事)は、A工区(旅客ターミナルビル増築、ホテル)が大林・戸田・萩原・伊藤・田中・菱中 特定建設工事共同企業体(代表企業大林組)、B工区(旅客ターミナルビル増築)が岩田地崎・JALファシリティーズ・阿部 特定建設工事共同企業体(代表企業: 岩田地崎建設)、C工区(既存旅客ターミナルビル改修を含む増築)が大成・宮坂・山崎 特定建設工事共同企業体(代表企業: 大成建設)となる。