プロ・アマ問わず映像クリエイターと作品企画を発掘するTSUTAYA主催プログラム「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017」の最終審査会が16日、東京・恵比寿ガーデンプレイスで行われ、これまでB'zのミュージックビデオや任天堂・スプラトゥーンのCMなどを手掛けてきた映像ディレクター・針生悠伺氏(33)がグランプリとIMAGICA賞をW受賞した。
同プログラムは今年で3回目を迎え、最終的に採用された3作品にそれぞれ5,000万円以上の製作費が用意される。今年は4月20日から6月13日までの応募期間で268企画が集まり、7企画が最終審査に。この日、ファイナリストの7人はプレゼンテーションを行い、女優・原田美枝子ら審査員8人が各賞を選定した。今回は協賛社によるIMAGICA賞(副賞:ドローンカメラ)も設けられた。
針生氏の受賞作『2/1イチブンノニ(仮)』は、主人公の医師・秀夫が、心臓移植が必要となった息子を救うために、ドナーとして培養された"クローン息子"を育てる物語。子育てを放棄していた秀夫にとって、突然はじまった息子との二人暮らしは悪戦苦闘の日々だったが、本当は愛してはいけないクローン息子への愛情が次第に芽生えてしまう。
壇上で「ありがとうございます」と笑顔を見せる針生氏。3年前、今回と同じテーマでショートフィルムを企画し、完成後に子どもが生まれたという。「その時に作ったショートフィルムはちょっと暗くて。もっと命のことを深く考えて愛のあるテーマにしないといけないと思って、自分なりにがんばって磨き上げてきた大事な企画」と経緯を説明し、「子どもは1歳半なんですけど大きくなったら見せられるようにがんばって作りたいと思います」と父親としての抱負も述べた。
そのほか、準グランプリはウエダアツシ氏(映画『リュウグウノツカイ』監督・脚本・編集など)の『モータープール(仮)』と片岡翔氏(映画『1/11じゅういちぶんのいち』監督・脚本など)の『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』、特別賞には土橋章宏氏(映画『超高速!参勤交代』脚本など)の『水上のフライト(仮)』が受賞した。