あちこちに人がしがみ付いたまま発車するインドの電車。私がもしインドで働くことになったら、この電車に30分乗るどころか、乗れないかもしれない。そこで今回は、在日外国人20名に、「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所」と「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所」、どちらに住みたいか聞いてみた。
Q.「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所」と「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所」、どちらに住みたいですか?
会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所 10名
会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所 10名
■会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所
- 「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所。長い時間を利用して、何か勉強や趣味を始めれば良いと思います」(シリア・30代後半・男性)
- 「座る方がいいですね。ずっと立つには、30分は長すぎます…」(アメリカ・30代前半・女性)
- 「始発駅で必ず座れる場所です。朝が座れるなら仕事に対するストレスが半分減ると感じていますので」(イタリア・20代前半・女性)
- 「良く寝られる為、二つ目の方を取ります」(スペイン・30代前半・男性)
- 「満員電車が苦手です。なので、始発駅で落ち着いて座れる場所がいいです」(フィリピン・30代後半・女性)
- 「1時間30分のところです。でも、30分で着くなら、自転車で行けるかどうかも調べます」(オーストラリア・30代後半・女性)
- 「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所」(タイ・40代前半・男性)
- 「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所」(マレーシア・40代前半・男性)
- 「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所に住むと思います」(エジプト・30代前半・女性)
- 「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所」(スペイン・40代前半・女性)
■会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所
- 「前も述べたが、移動時間が短い方を選びます。電車中は30分で立つことにあまり抵抗がないです」(カンボジア・20代前半・男性)
- 「後者。(一日全部で3時間も自分や家族との時間が減るから。30分程度は我慢できる)」(ハンガリー・30代後半・女性)
- 「後者です。時間が大切です」(香港・20代後半・男性)
- 「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所」(インド・30代前半・男性)
- 「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所」(ロシア・20代前半・男性)
- 「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所」(ポーランド・30代前半・男性)
- 「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所に住みたいです」(パラグアイ・50代・女性)
- 「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所です」(ペルー・40代前半・女性)
- 「後者」(中国・20代前半・女性)
- 「後者を選びます」(ドイツ・30代前半・男性)
総評
回答はきっちり半々となった。両者の意見は、まず"1時間半"という時間をどう使うかで分かれた。「会社まで1時間30分かかるが始発駅で必ず座れる場所」を選んだ人は、"1時間半"あれば「良く寝られる」「勉強や趣味を始めればいい」など、長い時間をいかに有効に使うかという意見が目立った。一方、「会社まで30分で着くが、乗る電車は毎日超満員の場所」を選んだ人は、「往復3時間も家族との時間が減る」「時間が大切です」と、通勤以外の時間に重点を置いていた。
"30分"をどう感じるかでも意見は分かれた。「立つのには長すぎる」という人もいれば、「30分程度なら我慢できる」という人も。日本ほどではなくても、母国でも満員電車を経験している人もいるだろうが、大勢の外国人に囲まれての乗車となれば、蓄積されるストレスは計り知れないだろう。30分とは言え、耐えられないのも理解できる。
人口減少とともに、日本の満員電車は自然となくなるという記事を目にしたことがあるが、ある調査では、首都圏だけは人口が増加しているという見解も。他方、行政は働き方改革の一環として、朝の混雑緩和を目指している。満員電車がなくなる日はいつになるのか…。人口減少を待つよりも、政府や鉄道各社の今後の対策に期待したいと思う。