冬は室内と室外の温度差が大きくなるため、光熱費、特にエアコンにかかる電気代が夏よりも高くなりがち。でも、そんな出費は少しでも抑えたいものです。そこで、家計の節約術を紹介しているエネチェンジ株式会社の中田さんに、冬の光熱費が高くなる理由や、一人暮らしの家でも気軽に試せる暖房効率アップ法を伺いました。

そもそも、なぜ暖房費は高くなるのでしょうか?

「それは、エアコンの仕組みと、外気温とエアコンの設定温度が大きく関係しています。エアコンに使われているのは、空気の熱をくみあげて加熱を行うヒートポンプ技術です。外の空気中から熱を拾って取り込み、室外機の中にある圧縮機で圧縮することで空気を暖めます。その暖めた空気は冷媒*によって室内機に運ばれ、室内機の吹き出し口から室内に送られて、部屋が暖められていくのです。冬の室内外の温度差は20~25℃にもなります。反対に、夏の温度差は5~10℃程度です。エアコンは室内温度を設定温度に上げるまでがエネルギーを最も使うため、夏に比べて冬のほうが電気代がかかるのです」

*冷媒とは、空気中の熱を運んで室外機と室内機の間をぐるぐる回っているガスを指します

一人暮らしの家でもできる暖房効率をアップさせる方法とは

エアコン周りで節約対策!

  • 1.室外機の周りには、物を置かない

「空気の通り道をふさいでしまうと、余分な電力を消費することになります」

  • 2.フィルターの掃除はこまめにする

「フィルターにホコリやゴミが詰まっていると、暖房効果が弱まります。掃除機でホコリをサッと吸引するだけでも、目づまりが改善されます」

  • 3.設定温度は「自動運転」

「一見、電気代を抑えられそうな『弱運転』ですが、実はお部屋を快適な温度(設定温度)にするまで多くの時間がかかってしまうため、かえって電気代がかかります。自動運転なら最も効率的な運転をしてくれるので、結果的に節電・節約につながるでしょう」

  • 4.こまめなオンオフはやめる

「部屋が十分に暖まったと感じてもエアコンは切らずに、設定温度を下げるなどで調整をしましょう。エアコンは、スイッチを入れた時に最も電力を使用する家電の一つです」

100円ショップを活用しよう!

  • 冷気の入り口、窓の周りを工夫する!

「冬の窓からは52%の暖かい空気が逃げるとされています。特に外気温の下がる夜はカーテンをきちんと閉めて暖かい空気を外に逃げにくくしたり、窓ガラスに100円ショップでも手に入る発泡シートや隙間テープなどを貼ったり、冷気の侵入を防ぐ工夫をしてみましょう。見栄えはよくないですが、窓とカーテンの間に段ボールを挟むのも一つの手です」

  • ラグやこたつの下にはアルミシートを!

「フローリングの場合、そのまま座ると冷たさがダイレクトに体に伝わってしまいます。ラグなどの下に100円ショップで手に入るアルミシートを敷いてみましょう(滑りやすくなるので、滑り止めマットなども併用するとよいです)。足元の冷えが緩和されますし、こたつの下に敷けば暖かさが長持ちして節約・節電対策にもなります」

エアコン以外にも、暖まるのにおすすめの器具はありますか?

  • こたつ(1時間あたり2.2~4.6円)

「上半身の寒さ対策として、はんてんなどを羽織って入れば全身が温まります。電気代も比較的安いし、テーブルとしても利用できるので、1年中出しっぱなしにできる優れた暖房器具の一つですね」

  • 電気ひざかけ(1時間あたり1.4円)

「エアコンを併用している場合でも、暖かい空気は上に集まるため下半身は冷えがち。エアコンの設定温度を上げるより、電気ひざかけを活用すれば、電気代を節約しつつ下からぽかぽか温まることができます」

  • ホットカーペット(1時間あたり6.2~9円)

「面積を温めるために電気代が必要になるので、必要最低限のスペースの大きさのものを選ぶか、温める面積を1/2面・全面など選べるタイプのものにすれば、効率的に利用できて節約にもつながります」

そして、もっと節約したい人におすすめなのが、湯たんぽです。「布団の中に入れて使用するだけでなく、起きている時間帯も、湯たんぽを他の暖房器具と併用すれば、効率よく体を温めることができます」とのこと。これこそ電気代もかからず、気軽に挑戦できるアイデアといえるでしょう。

自分の生活スタイルに合わせて、なるべく無理せず光熱費を節約していきたいですね。

《取材協力》エネチェンジ株式会社