説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhone XのカメラはiPhone 8と同じなの?』という質問に答えます。
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同じ、という意味はスペックが同じ、という意味でしょうか? 確かに、iPhone Xのカメラ(アウトカメラ)は2基搭載のデュアル構成で画素数はiPhone 8 Plusと同じ1,200万、レンズ構成も6枚と共通ですが、同じというのは早合点です。ましてや、LEDフラッシュを含むカメラユニットの向きが縦横で異なるだけ、という見方は完全な誤りです。
カメラの性能を示す数値として「f値」(カメラに取り込める光の量、値が小さいほど明るいレンズになる)がありますが、この値にも差があります。広角側は同じf/1.8ですが、望遠側(2xズーム時)はiPhone 8 Plusのf/2.8に対しiPhone Xはf/2.4です。ズームしても暗いところでノイズが乗りにくくなる、背景がボケやすくなる、というメリットを期待できます。
光学式手ぶれ補正機能も、iPhone Xに軍配が挙がります。iPhone 8 Plusでは広角時のみ補正されますが、iPhone Xは広角/望遠両方で補正されます。一般的に望遠レンズの方が広角レンズよりも手ぶれしやすいので、補正の恩恵をより大きく受けるのはiPhone Xということになります。
決定的に異なるのが、ディスプレイ上部に埋め込まれたカメラ(インカメラ)です。画素数は700万で差はありませんが、iPhone 8 Plusは「FaceTime HDカメラ」、iPhone Xは「TrueDepthカメラ」です。顔認証システム「Face ID」や、ユーザの表情を読み取って犬や猿のキャラクターを動かす「アニ文字」は、このTrueDepthカメラに依存するため、iPhone Xならではの機能となっています。