来年10月から放送されるNHK平成30年度後期連続テレビ小説のタイトルが『まんぷく』に決定。脚本を手がける福田靖氏らが出席して14日、NHK大阪放送局で発表会見が行われた。
現在放送中の『わろてんか』、次作の『半分、青い。』に続く、第99作目となる本作は、大阪に本社を置く食品メーカー「日清食品」の創業者・安藤百福氏と夫人の仁子さんをモデルに、激動の昭和を生きた夫婦を描く奮闘記。NHK大河ドラマ『龍馬伝』や、『HERO』『ガリレオ』(ともにフジ系)などの大ヒット作で知られる福田氏が脚本担当する。
『まんぷく』は、戦前から高度成長期の大阪を舞台に、さまざまな事業を手がけるもことごとく失敗を繰り返す青年実業家・萬平を、明るくひたむきに支える妻・福子の波乱万丈の人生を描くストーリー。モデルの百福氏は、後に世界初のインスタントラーメンを開発し、大成功を収める。
制作統括の真鍋斎チーフプロデューサーは「百福さんがインスタントラーメンの開発に成功したのは40歳のころで、人生の後半で一気に成功した方。これを"敗者復活"の物語ととらえ、世知辛い世の中に『人はいくつになっても必ずやり直せる』という力強いメッセージを送りたい」と本作のテーマを説明。タイトルの『まんぷく』には、"満腹"のほかに、幸せに満ち溢れたさまを表す言葉"万福"の意味もあると明かし、「みなさまの朝が幸せで満ちるように、との願いを込めた」と語った。
一方、福田氏は「脚本家になって20年、とうとう朝ドラを書くことになって、身が引き締まる思い」とあいさつ。真鍋CPから『朝ドラはマラソンではない。1回1回が100mダッシュです』と言われて、これは気合を入れないといけない!と(笑)。みなさんに楽しんでいただける作品になるよう、最後まで走り抜きたい」と意気込みを話した。
福田氏は、日本の大実業家としてその名を残し、関連書籍も多い百福氏に比べ、ヒロインのモデルである仁子さんの人物像を語る資料がほとんど残っていないことにも言及。「ご遺族や関係者の方にもお話を聞きましたが、多くは自分のイメージを膨らませてヒロイン像を作り上げるしかない」と語り、「青年実業家と結婚したけれど、夫は事業に失敗してばかり。こんなはずではなかったと思いながらも、懸命に夫を支えてたくましくなっていく、明るいヒロインを描きたい。『ドラマにはユーモアが不可欠』と思っているので、コメディの要素は52%ぐらいになるかも(笑)」と構想を明かしていた。
なお、ヒロインをはじめ主な出演者は、来年1月~3月に発表。クランクインは来年5月に予定されている。