ペットには健康保険制度がないため、病気やケガの治療をすると費用が思いのほか高額になることがあります。そのため、人間以上に保険へ加入する必要性があるといわれます。

最近では多くの会社が販売するようになり、商品内容やサービスもバリエーションが増えています。選択肢が多いということは、上手に利用するためには情報収集が欠かせません。そこでペット保険を選ぶときのポイントを整理し、特徴あるサービスを紹介します。

ペット保険を選ぶときのポイントを整理しよう

ペット保険って生命保険? どんな仕組み?

ペット保険は人間でいうと医療保険のようなもので、死亡時に保険金が支払われるのではなく、補償の対象になるのは治療や手術、入院で、ほとんどが1年契約の掛け捨てです。

ペットの病気やケガは損害と考えて商品が作られているので、運営しているのは大きく分けて損保会社と少額短期保険会社。この2つの大きな違いは破綻したときで、損害保険契約者保護機構に加入している損保会社であれば一定条件で保険金が補償されますが、少額短期保険会社は保証金の供託制度はあるものの破綻時の補償はありません。ただペット保険は多くが1年更新の掛け捨てなので、万が一、破綻したとしても人間の生命保険ほど影響は大きくないといえそうです。

保険を選ぶとき、まずチェックすべきことは?

補償の内容や加入の条件、保険金の支払い基準などは各社、各商品によって様々です。いざというときに支払われなかった、年齢が上がったら保険料が高くなって驚いた、といったことがないように、商品内容は正しく理解する必要があります。ペット保険は1年更新だから翌年は変更すればいいと思うかもしれませんが、病気になる、年齢制限に引っかかるなどの理由で新規加入できないケースもあることを知っておきましょう。

商品を比較するときのポイント

1.保険料の区分
猫の保険料は一律の商品がほとんどですが、犬の場合は大きさ(小型犬・中型犬・大型犬)や犬種によって保険料が異なる場合が多いので区分をきちんと確認しましょう。

2.加入できる年齢とその後の更新
ペット保険は新規加入年齢が決められています。これも商品によって異なり、多くは8歳から10歳くらい。その後は更新のみで、更新可能年齢を設定しているものもあります。

3.年齢による保険料
ペット保険は1年更新ということもあり、年齢が上がることに保険料はアップします。高齢になると保険料が大きくアップするタイプもあるので、将来の保険料を確認することも忘れずに。

4.補償の範囲や割合
治療・手術・入院を補償するタイプが一般的ですが通院を対象外にしていたり、免責や支払額の上限を設定している商品もあります。また補償割合を選択するプランもありますから、どんなときにいくら保険金が支払われるのかをきちんと確認しましょう。

5.保険金の請求方法や支払い方法
保険金は病院の窓口で精算できるのか、できない場合はどうやって請求するのか、請求した金額は何日程度で支払われるのかもチェックしておきましょう。

6.更新時のルール
1年更新の保険は自動更新が一般的ですが、ペット保険の場合は既往症や年齢によって、更新できない場合もあります。病気やケガをしやすい高齢になってから加入できないのでは役に立ちませんから、きちんと確認しておきましょう。

特長あるサービスも続々登場している

ペット保険も内容が進化し、商品性はもちろん付帯するサービスなどでも各社特徴が出てきています。

特徴あるペット保険の商品やサービス

例えば図にまとめたように、日本アニマル倶楽部はペット保険といえば犬猫というセオリーを破り「うさぎ等の小動物」「鳥類・爬虫類」も保険対象にした商品を販売。アクサダイレクトは、休日や夜間に病院へ連れて行くべきか迷ったとき便利な獣医師の電話相談、アニコム損害保険は宿泊施設やドッグカフェ、ドッグランなどで優待が受けられるといったサービスを保険加入者は受けられます。

保険料や保険金の給付内容で差がない場合は、付帯サービスもチェックしてみる必要がありそうです。


鈴木弥生
編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。