次世代通信技術「5G」は、私たちの生活にどのような変化をもたらすのでしょうか? NTTドコモが日本科学未来館で開催したイベント「見えてきた、"ちょっと先"の未来 ~5Gが創る未来のライフスタイル~」は、5Gの特徴である高速・大容量・低遅延のモバイルネットワークを活用した、ユニークな展示にあふれていました。

東京都江東区の日本科学未来館にて

遠隔地からショベルカーを操縦!

小松製作所が紹介していたのは、未来のICT建設現場を実現するソリューション。ブースでは、油圧ショベルのコクピットを再現した椅子の前に、5枚の巨大なディスプレイが配置されていました。これにより、遠隔地にある油圧ショベルを操縦するとのこと。ここでドコモのネットワークは、どのような使われ方をしているのでしょう。

遠隔地の油圧ショベルを操縦するソリューション。コクピットといい5面マルチ画面といい、モ○○スーツを操縦しているようで燃えます

「雲仙、桜島など噴火の被害があった地域では、すでに遠隔で動く油圧ショベルが活躍しています。でも現状ではこれほど綺麗な映像ではなく、また遅延もあります」と担当者。そこで、5Gの特徴である、高速・大容量・低遅延のモバイルネットワークに期待を寄せているとのことでした。

5Gの高速・大容量・低遅延モバイルネットワーク。建設現場でも活用が期待されています

今回のソリューションはまだ実証実験の段階ながら、2017年9月には、建設現場にドコモの5Gを敷設して、実際に油圧ショベルを遠隔操作することに成功しています。実用も近いということでしょう。

「災害現場以外でも、例えばスタッフが地方まで行けないときに応用できるのでは」と担当者。ちなみに筆者から「5枚の巨大なディスプレイではなく、360度の映像をライブ配信して、ドライバーがヘッドセットをつけて遠隔操作できないでしょうか」と提案してみましたが、現状ではまだ解像度の問題、データ容量の問題などがあり難しいのでは、との回答でした。

日本は地震大国。災害現場でも遠隔から安全に作業できる技術の登場が待ち望まれます