アデコは11月8日、「介護と仕事の両立」に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は10月、親族の介護に携わった経験を持っており、直属の部下を持つ管理職(課長職、あるいは部長職)の600名を対象として、インターネットリサーチによって行われたもの。
まず「介護を理由に、退職を考えたことがあるか」を聞いたところ、52.5%が「考えたことは一度もない」。一方、47.5%が「考えたことがある」(「何度も考えたことがある」19.5%+「1、2回考えたことがある」28.0%)だった。
続いて、「退職を考えたことがある」と回答した285名に、「退職を考えた理由」を聞くと、1位は「体力・精神的な負担や不安」(20.7%)だった。次いで「要介護度の変化、介護を優先したい」(18.2%)、「仕事・職場への影響」(16.8%)となった。
一方、「退職を考えたことはない」と答えた315名に、「退職を考えなかった理由」を質問すると、「収入面での不安」(26.0%)が最も多くなった。「家族のサポートがあった」(14.6%)、「職場の理解や支援・制度の充実」(10.2%)が上位に並んだ。
また、「介護を理由に、会社を休んだことがあるか」を聞くと、67.0%が「ある」、33.0%が「ない」と回答した。また、「ある」と答えた402名に、「会社を休む際に、どのような休暇制度を利用したか」を質問すると、「有給休暇制度(年次有給休暇、積立年次有給休暇などを含む)」が88.1%で最多。次いで、「介護休暇(対象家族1人につき1年に5日取得できる)」(15.9%)、「介護休業(家族1人につき通算93日を3回まで分割取得できる)」(2.7%)となった。
さらに、「介護に関連して利用できる会社の制度と、その利用の有無」について、「制度があり、利用した」と回答した割合をみた。その結果、「半日単位、時間単位の休暇制度」(63.5%)が最も多かった。次いで、「遅刻、早退または中抜けなどの柔軟に出退勤できる制度」(29.2%)、「フレックスタイム勤務制度」(19.7%)、「残業・休日勤務の免除」(10.8%)となった。
このほか、「介護に関連して、休暇制度や勤務に関する制度を利用しづらいと思ったことはあるか」を聞くと、63.2%が「ある」(「よくある」24.0%+「時々ある」39.2%)、36.3%が「ない」(「まったくない」8.2%+「あまりない」28.7%)と回答した。
「ある」と答えた379名に「制度を利用しづらいと思う理由」を聞くと、「自身の業務に支障が出るため」(73.1%)が最も多かった。次いで、「部下の業務に支障が出るため」(54.1%)、「管理職で、介護を理由に休みを取る人がいないため」(37.7%)となった。