東京都交通局は10日、都営新宿線へのホームドア設置開始と、都営浅草線におけるホームドアの検証の実施について発表した。都営地下鉄4路線のうち、ホームドアが設置されていない都営新宿線・都営浅草線でも、ホームからの転落や列車との接触などの事故防止対策としてホームドア整備が進められることになる。
都営新宿線では、今月中に大島駅で先行設置される予定。同駅は2面3線の構造となっており、11月18日の終電後に2番線ホーム、11月25日の終電後に3番線ホームへホームドアを設置し、試験・調整・取扱い訓練を行う。その後は2018年4月から2019年秋にかけて「本八幡駅より隣接駅に順次設置し、設置完了した駅から順次運用開始」(東京都交通局)するという。なお、新宿駅(京王線新宿駅4・5番線ホーム)については京王電鉄がホームドア整備事業に着手済み。2018年度中の使用開始をめざすとしている。
都営浅草線は相互直通運転を行う各社の車両も多く乗り入れており、これまでのような定位置停止装置などを車両に搭載する方式でホームドアを整備するには多くの課題があるという。車両の大規模改修を必要としないホームドア開閉連動技術として、東京都交通局は民間企業と共同で、QRコードを車両ドアに貼り付け、それをカメラで読み取ることでホームドアを開閉連動させる技術を新規に開発。実用化のめどが立ったことから、この技術を用いたホームドアシステムの検証が行われることになった。
ホームドア整備に向けた検証は11月24日から1カ月程度、都営浅草線大門駅1番線ホームにて実施される。8両編成の一番後ろの扉(8号車第3扉部分)付近にホームドアを設置し、車両のドアに検証用QRコードを貼り付け、実運用上での検証を行う。今後はこの新規開発した技術を用い、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会までに新橋駅、大門駅、三田駅、泉岳寺駅の4駅にホームドアの整備を進めてまいります」とのこと。