ロイヤルパークホテルが狙ったのは、単純な宿泊客増ではなく、宴会をはじめとするレストラン利用、ウェディング需要につながるブランド認知の向上だ。そのためにまず行われたのが、現状分析だ。
「ブランディングはきちんとできているものの、認知が狭いという状況でした。長く使ってくださるお客様はいらっしゃいますが、ご存知ない方はご存知ない。強化したかったのは、2000年代生まれの、いわゆるミレニアム世代です。ネット検索が当たり前のこの世代にアプローチすることで、ウェディング需要なども伸ばせると考えました」と語るのは、Eストアー カスタマーソリューション本部 プロモーションマネジメント マネジャーの神村俊吾氏だ。
2020年という宿泊需要が伸びる時期に間に合わせるためには、早めに取り組みを始めなければならないと判断。まずはGoogleとYahoo!を利用したリスティング広告で、ホテル名を検索した時に公式サイトが上位表示されるようにするなど基本的な広告を行ったのち、2016年8月からはFacebookやInstagramの公式アカウントを作成、稼働させた。
「アカウントの開設はもちろん、更新作業も社内で行っています。キャンペーン的な情報や、そこにつながるホテル内での準備中の様子など、広告だけでなくお客様からは普段見えない内側を少し見ていただけるような形で、情報や新商品の案内をしています」と清水氏。そうして更新された記事に対する誘導を、Facebook広告を利用して行っているのがEストアーだ。
「ターゲットに合わせた情報配信をするための取り組みを担当しています。まずは”いいね!”を5000獲得しようということを目指しましたが、目標よりも早くそれは達成できました」と語る神村氏は「記事を作るのが上手。写真綺麗ですし、内容的にも問題があればアドバイスしようと考えていましたが、特に必要はないようです」とも語る。
Eストアーとの間では月に1回ミーティングの機会をもうけ、全体の方向性やコンテンツに関する相談などを行っているという。
「特に評判がよかったのは、動画です。ほんとうに短いものですが、肉を焼く動画だと本当においしそう。どんな肉か、どうおいしいかと言葉で説明するよりもずっと説得力があります。今後は特に動画を強化して行きたいですね」(神村氏)
そうした動画もロイヤルパークホテル側で用意しているが、魅力ある写真はプロの手も借りているという。
「お客様向けの案内冊子を毎月作っているのですが、その撮影時にSNS向けのものも用意してもらっています。Instagramはその中でも、広告感の強くない、綺麗な写真を掲載している状態です。キャンペーン用のメイン画像などはプロにお願いして、普段のちょっとしたものは社内でスマートフォンなどで撮影することもあります。動画は言いたいことを10秒にまとめるよう気をつけています」と清水氏は語った。