シリーズ累計230万部を突破する、小説家・米澤穂信の<古典部>シリーズ。コミックス、アニメなどのメディアミックス化も行われ人気を博している。今回は、第1作目である『氷菓』が待望の実写化となり、11月3日より公開された。山崎賢人演じる"省エネ主義"の高校一年生・折木奉太郎が、姉の命令で入部した古典部で出会った、広瀬アリス演じる美少女・千反田えると学園の謎を解き明かしていく。
「わたし、気になります」が口癖のえるは、アニメでも大人気のキャラクター。好奇心旺盛な旧家のお嬢様という役柄を作り上げるために、広瀬は監督と何度もリハーサルを重ねたという。ファンの間では"聖地"と呼ばれる飛騨高山での撮影の様子や、広瀬自身の今後についてなど、話を聞いた。
ファンの期待に応えたい
――作品についてはもともとご存知だったんですか?
小説が原作なんですけど、私はアニメや漫画が大好きなので、アニメは知っていました。でも今回は小説の実写化ということで、アニメにとらわれないよう取り組みました。
実写化という意味では絶対にいろんな意見があるだろうな、と思いますが、私はアニメと漫画が好きなのでそのファンの方の気持ちもわかります。私が一番やるべきことというのは、原作を反映した物語の世界観を崩さないこと。忠実にやるということがすべてなのかなと思いました。
――共演者の皆さんとは、これまでも仕事で一緒になることがあったかと思いますが、今回の印象はいかがでしたか?
山崎君が4回目、(岡山)天音くんが3回目、(小島)藤子ちゃんが2回目なので、「おう、久々!」みたいな(笑)。みなさん10代の頃から知ってますけど、いい意味で何も変わらなかったです。それはすごく助かりました。
――「ここは大人になったな」というところとかは。
ないですね! 相変わらずだなって(笑)。
――飛騨高山の撮影ということでしたが、普段と違う空気はいかがでしたか?
あの場所でしか撮れない空気感があると思うので、ちゃんと飛騨高山で撮れたというのは大きいですね。モデルになった学校や制服を忠実に再現しているし、地元に原作のファンの方がたくさんいました。ちょうど撮影をしている時に、修学旅行生に遭遇して、ぶわ~って人がいっぱいになっちゃったんですが、「『氷菓』の撮影してる!」って、みんな知っている作品なんだなと実感しましたし、だからこそ期待を裏切りたくない、応えたいなと思いました。
――ファンの方の期待に応えたい、ということで例えばどんなところに力を入れられたのでしょうか。
えるの役作りに悩みました。監督と探りながら、リハーサルを何回も何回も重ね、試行錯誤して作っていきました。普段の声より2トーン位声を上げて、「私、気になります」というセリフは「絶対にまばたきをしないでください」と言われて。目にありえないくらい意識がいってしまいました(笑)。顔の角度一つにも細かく指示があったんです。
――撮影中は飛騨高山を満喫することはできましたか?
結構スケジュールがキツキツでした。でもみんなで飛騨牛を食べに行って、すごくおいしかったです。お昼ごはんに賢人君とマネージャーさんと、私のマネージャーさんの4人でもう一度飛騨牛を食べにいったり、食べ物はすごく満喫しました。