米Clouderaは今年の9月、Microsoft Azure向けCloudera Altus Data Engineeringのベータ版を提供することを発表しているが、11月7日、日本で改めてこの件について説明した。

Cloudera Altusはパブリッククラウド上でビックデータ処理アプリケーションを容易に実行するためのPaaS製品。これまでAWSに対応してきたが、今後、Azureにも対応していく。

Cloudera Altusは、インフラストラクチャー管理を気にすることなく、オンデマンドのクラウドインフラストラクチャーを使用して、データパイプラインを構築・運用することができるもの。

同社はこれまでもMicrosoftと提携してきたが、今回のMicrosoftとの提携拡大により、Clouderaで処理したデータをMicrosoft SQL Serverに入れたり、Microsoft Power BI for Impalaを利用して洞察を可視化することができるという。

米Cloudera CTO (最高技術責任者) Amr Awadallah氏は、Cloudera Altusのすべての機能が揃うのは、来年の末であることを明らかにするとともに、今後はすべての製品をAzureに対応させるとした。

米Cloudera CTO (最高技術責任者) Amr Awadallah氏

同氏は、同社が9月に発表したSDXがキーテクノロジーだと語り、「われわれが注力しているのは、Cloudra SDX(Shared Data Experience)で、これはセキュリティ、ガバナンス、ワークロード管理、レプリケーションなどを一環で提供するプラットフォームだ。これにより、ユーザーは俊敏にアジャイルにデータを活用できる。また、用途に応じてデータをコピーする必要はなく、われわれのデータプラットフォームに入れるだけで、データを活用できる。SDXがキーになる」と述べた。

Cloudra SDX(Shared Data Experience)を含むCloudera Enterprise

米Cloudera アジア太平洋および日本担当バイスプレジデント Mark Micallef氏

また、米Cloudera アジア太平洋および日本担当バイスプレジデント Mark Micallef氏は、同社がターゲットとする市場について、「過去には石油や金が重要だったが、現在はデータが重要な資源だ。データのインサイトによって、事業的価値を引き出すことができる。現在はApple、Google、Amazon、Facebook、Microsoftのようなデータドリブンな企業が活躍している。これらの企業は世界トップ8の中の5つで、企業の収益はトップ500の14%を占め、10年前より10%伸びている。われわれのターゲットは、グローバル8000の企業、年間売上が10億ドルを超えている企業だ。とくに銀行、テレコム、公共、ヘルスケア、テクノロジー企業などが多い」と説明した。

日本代表に元デル・ソフトウェアの中村氏が就任

また同日は、11月6日付けでClouderaの日本法人の代表取締役に就任した中村共喜氏も紹介された。同氏はこれまで。Autodesk、クエスト・ソフトウェア、デル・ソフトウェアの代表取締役を務めている。

日本法人の代表取締役 中村共喜氏

同氏は「Clouderaはすばらしいテクノロジーをもっており、それによってイノベーションを起こしているが、日本において、どこにに向かっているのか、どんな戦略をもって何をしようとしているのかを、あまりてお話してこなかった。今後は、定期的に情報を提要し、日本のお客様のイノベーションのお手伝いをしていきたい」と今後、積極的に情報発信していく姿勢を強調した。