説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「緊急SOS」はどう使うの?』という質問に答えます。

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iOS 11で追加された「緊急SOS」は、スリープボタンを続けて5回押すと警察や消防署などに自動発信してくれる機能です。海外でも位置情報を利用することで、自動的に現地の緊急通報用電話番号にかけてくれるので安心です。家族の携帯電話など任意の番号を緊急連絡先に登録できますから、非常事態に備える機能ともいえます。

電話を自動発信するだけでなく、自分の位置を知らせる目的にも利用できます。緊急電話が終わると、キャンセルしないかぎり自分(iPhone)の現在地を知らせるテキストメッセージを緊急連絡先へ送信し続けます。

初期設定では、スリープボタンを続けて5回押して現れる画面で「緊急SOS」スライダーをドラッグしないかぎり、電話を自動発信することはありません。スリープボタンを続けて5回押すやいなや自動発信する設定にしたい場合は、『設定』→「緊急SOS」画面で「自動通報」スイッチをオンにします。

もちろん、これらの機能は緊急用です。警察や消防署などに電話をかけることになるため、命の危険を感じるほどの事態でなければ利用すべきではありません。しかし、覚えておいて損のない機能もあります。

それは、スリープボタンを続けて5回押して緊急SOS画面を表示すると、Touch IDが一時的に無効化されることです。たとえキャンセルボタンをタップして緊急SOS画面を閉じたとしても、パスコードを入力しないかぎりはiPhoneをロック解除できなくなります。突然iPhoneを取りあげられそうになったとき、急いでスリープボタンを5回押せば、せめて大切な個人情報だけは守ることができます。

iOS 11で追加された「緊急SOS」は、警察や消防署に電話を発信するだけの機能ではありません