若い頃に訪れたフランスの地で、知らない男性がレストランのドアを開けてくれた。バスを降りるときには、添乗員の男性が自然と手を差し延べてくれた。初めて体験したレディーファスト。単純に「この国に住みたーい!」と思ってしまった。というわけで今回は、在日外国人20名に「日本に来て得したと思うこと」を教えてもらった。
Q.日本に来て「得した」と思うことはありますか?
■母国と違って…
- 「日本のサービスがとてもいいです。電車が遅刻しない、郵便と宅急便が速い、全体的にカスタマーサービスがやさしくて積極的に手伝ってくれます。母国で感じていた小さなストレス(遅刻とか)がなくなりました。日本のサービスは最高です!」(イタリア・20代前半・女性)
- 「日本食がヘルシーでよかった」(マレーシア・40代前半・男性)
- 「電車などがあって生活がとても便利になりました。あと、ご飯は基本アメリカよりヘルシーなので、たぶんアメリカに住んでいたらもっと太っているだろうな、と思います」(アメリカ・30代前半・女性)
- 「私は昔から忘れ物や落し物が多かったが、日本に来たらほとんどの物が戻ってくるので、自分が得しているというかいつものように損していないと思います」(フィリピン・30代後半・女性)
- 「春夏秋冬を味わえ、道路はどこでも綺麗でよい環境であること」(タイ・40代前半・男性)
- 「自然を満喫すること」(香港・20代後半・男性)
- 「医療が進んでいるところです」(パラグアイ・50代・女性)
■○○を学べたこと
- 「日本語ができるようになって、向こうの日系企業などで働くチャンスができた」(ハンガリー・30代後半・女性)
- 「日本語をお金をかけないで覚えました」(スペイン・40代前半・女性)
- 「ルールを守るようになりました」(ペルー・40代前半・女性)
- 「日本の企業で働いたことで、チームワークの大切さが分かりました。一人で仕事をするよりも、周りの協力とアドバイスをもらった方が成功の道が近づいてきます」(カンボジア・20代前半・男性)
- 「制度がある生活のフローがわかった」(ロシア・20代前半・男性)
■新たな出会いと経験
- 「たくさんの友人を得ました」(ドイツ・30代前半・男性)
- 「得したのは自分の国でできない経験など、会った人々」(オーストラリア・30代後半・女性)
- 「自国ではできない色々な経験が出来ること」(インド・30代前半・男性)
- 「新しい経験と文化に触れる機会があってすごくうれしいです」(エジプト・30代前半・女性)
■その他
- 「母国にいた時に比べて、日本に来て"若返りした"したそうです。母国にいた時は老けていたように思われます…」(シリア・30代後半・男性)
- 「精神的な強さ」(スペイン・30代前半・男性)
- 「海外に行く際、ビザの申請はわりと楽です」(中国・20代前半・女性)
- 「収入」(ポーランド・30代前半・男性)
総評
日本に来て得したと思うことを聞いたところ、自国よりも進んでいる点や環境の良さ、日本人ならではの心遣いなど、多くの外国人が日本(人)の良さを挙げてくれた。また、新しい経験と出会いの中で、「日本語」が上達することは勿論のこと、「ルールを守る」ようになったり、「チームワークの大切さ」を学んだりと、確実に何かを吸収している外国人も多数見受けられた。
そして何よりも、日本に来て得したと思うことは「ない」と答えた外国人は一人もいなかった。日本人として、素直に嬉しく思う。他国の人に評価されることで、改めて気付かされた"日本の良さ"。日本人に培われてきた"おもてなしの心"を軸に、これからも「来て良かった」と思ってもらえるような国であり続けたいと思う。