説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『新しいiPhoneの「Bluetooth 5.0」で何が変わる?』という質問に答えます。
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2017年9月発売のiPhone 8/8 Plusと11月発売予定のiPhone Xは、すべて「Bluetooth 5」をサポートしています。iPhone 7/7 Plusまでが「Bluetooth 4.2」でしたから、バージョン数だけを見れば大きな変化がありそうです。
しかし、オーディオ関連機能(イヤホン/スピーカー)に変化はありません。Bluetoothオーディオで利用するHi-Fi再生用の「A2DP」、そしてリモコン機能の「AVRCP」というプロファイルは、Bluetooth Classic(2.1~3)向けです。Bluetooth 4からは下位互換が失われましたが、Bluetooth 4.x対応をうたう機器はBluetooth Classicにも対応するため(デュアルモード)、変わらず動作するのです。
一方、Bluetooth 4以降に追加された機能もあります。「BLE(Bluetooth Low Energy)」と総称される機能群は、Bluetooth Classicと比較して消費電力が圧倒的に少なく、Bluetooth Classicのように事前のペアリングも必須ではなくなりました(不要という意味ではありません)。iPhoneでは、AirDropやHandoffなどの機能でBLEが活用されています。
Bluetooth 5で追加された機能もあります。ルーティングテーブルを持たずバケツリレーのようにデータを中継できる「メッシュ」の概念が導入されたほか、ごく近距離の通信では速度が最大2倍に向上する、速度は保証されないものの通信距離が最大4倍になるなど、より柔軟で効率的なワイヤレス通信が可能になるよう見直しが行われています。
ただし、Bluetooth 5対応を必須とするiOSの機能およびサードパーティー製周辺機器は、現在のところわずかです。iOS 11に関していうかぎり、Bluetooth 5対応のiPhoneでなければ利用できない機能は見当たらないため、将来必要になるかもしれない周辺機器/アプリを利用可能にする存在として認識しておけばよさそうです。
新しいiPhoneは「Bluetooth 5」をサポートしますが、これを必須とするiOSの機能およびサードパーティー製周辺機器は現在のところわずかです |