俳優の役所広司が主演を務めるTBS系日曜劇場『陸王』(毎週日曜21:00~)の5日放送の第3話に、3大会連続パラリンピック出場、日本記録・アジア記録保持者の義足の陸上選手・中西麻耶が出演することが2日、明らかになった。テレビドラマ初出演となる。

第3話に記者役で出演が決定した中西麻耶選手

『半沢直樹』や『下町ロケット』で知られる池井戸潤の同名小説を原作とする同ドラマは、かつては隆盛を誇った倒産寸前の足袋業者「こはぜ屋」が、仲間たちと共に復活を目指し、ランニングシューズの開発に挑んでいく物語。主人公の「こはぜ屋」四代目社長・宮沢紘一を役所広司、その長男・宮沢大地を山崎賢人、実業団「ダイワ食品」陸上競技部員・茂木裕人を竹内涼真が演じている。

このたび、第3話に登場する雑誌社の記者・島遥香役に中西選手が決定した。竹内演じるダイワ食品陸上競技部の茂木裕人に取材を依頼するという役どころだ。

中西選手は「ドラマは未知の世界だったので、どのように演技したらいいのかすべて手探りで、最初はどうしたらいいのかわかりませんでした」と話し、「陸上選手としては、陸上にフォーカスされたドラマを作っていただけていることに仲間とうれしいよねと話しますし、その一部に携われることは大変うれしく思っています」とコメント。

そして、「2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、これからいろんな方が動くと思いますが、足袋と陸上は普通に考えたらイコールではないけれど、足袋屋の角度から陸上に関われることを発見できたからこの作品があると思うんです。このドラマは、何か自分にできることがあるんじゃないかと思ってもらえる作品だと思います」と作品の魅力を伝え、「私にとって『陸王』は、陸上の練習をしていて背中を押してもらえる存在です」と語っている。

1985年生まれの中西選手は、2006年に仕事中の事故で右膝から下を切断。翌年、義肢装具士の臼井二美男さんとの出会いをきっかけに陸上競技を始め、同年10月には100m走、200m走で日本記録を樹立、障がい者アスリートとして鮮烈なデビューを飾る。さらに2009年9月のジャパン パラリンピックでは、走り幅跳びでも日本記録を樹立。2016年5月には第27回日本パラ陸上競技 選手権大会に出場し、走り幅跳びで5m51cmで優勝。自己の持つアジア記録・日本記録を更新した。

茂木裕人(竹内涼真)に取材を依頼する記者・島遥香(中西麻耶)

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