そろそろクリスマスシーズンも近付いてきたタイミングで、NVIDIAからデスクトップ向けの新GPU「GeForce GTX 1070 Ti」が発売となった。GeForce GTX 1080の発売から1年以上経過したいま、同じPascal世代のGPUが登場することに困惑するが、試用する機会が得られたので早速そのパフォーマンスを検証したい。
GeForce GTX 1070 Ti(以下、GTX 1070 Ti)はGP104コアベースのGPUだ。同じくGP104コアを採用するGeForce GTX 1080(以下、GTX 1080)とGeForce GTX 1070(以下、GTX1070)の中間に位置する。
スペックを見ると、GPSおよびSM、CUDAコア、テクスチャユニットといったGPU寄りの部分はGTX 1080に近い。TDPも180WでGTX 1080と同じ。一方でメモリは8GBのGDDR5を搭載し、GTX 1070とそろえている。一見すると"GTX 1080のメモリをGDDR5に変えた"ような仕様に見える。
■ 表1 GeForce GTX 1070と既存モデルのスペック比較 | ||||
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製品名 | GTX 1080 Ti | GTX 1080 | GTX 1070 Ti | GTX 1070 |
GPC | 6基 | 4基 | 4基 | 3基 |
SM | 28基 | 20基 | 19基 | 15基 |
CUDAコア数 | 3,584基 | 2,560基 | 2,432基 | 1,920基 |
ベースクロック | 1,480MHz | 1,607MHz | 1,607MHz | 1,506MHz |
ブーストクロック | 1,582MHz | 1,733MHz | 1,683MHz | 1,683MHz |
メモリ種類 | GDDR5X | GDDR5X | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ容量 | 11GB | 8GB | 8GB | 8GB |
メモリデータレート | 11Gbps | 10Gbps | 8Gbps | 8Gbps |
メモリバス幅 | 352bit | 256bit | 256bit | 256bit |
メモリ帯域幅 | 320GB/秒 | 256GB/秒 | 256GB/秒 | 224GB/秒 |
TDP | 250W | 180W | 180W | 150W |
Founders Editionは、刻印以外はGTX 1080と同じだ。補助電源コネクタも8ピンで、バックプレートも搭載しているから、外観からは刻印以外で違いが見当たらない。
検証はこれを用いて行うが、オリジナルクーラーモデルも同時に発売される。Founders Editionとは別にMSIの「GEFORCE GTX 1070 TI GAMING 8G」も入手している。パフォーマンスについては後日検証するということで、ここでは写真でデザインを紹介する。
GTX 1080と1070の隙間に収まりfpsでもしっかり差を出す
性能評価は、Intel Core i7-7700KとZ270チップセット搭載マザーボードを中心とした環境を構築し、比較用としてGTX 1080(リファレンスカード)、GTX 1070(GIGABYTE GeForce GTX 1070 G1 Gaming 8G、OCモデル)、そしてAMD Radeon RX VEGA 56(リファレンスカード)を用意した。
CPU | Intel Core i7-7700K | |||
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M/B | MSI Z270 GAMING PRO CARBON(Intel Z270) | |||
Memory |
Kingston HyperX HX424C15FB2K2/16 (DDR4-2400、8GB×2) |
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GPU | GeForce GTX 1080 | GeForce GTX 1070 Ti | GeForce GTX 1070 | Radeon RX Vega 64 |
Storage | WD Blue 3D NAND SSD WDS100T2B0A(Serial ATA 3.0、3D TLC、1TB) | |||
OS | Windows 10 Pro 64bit |
使用したベンチマークソフトは、3DMark、VRMark、ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク、Overwatch、Assassin's Creed Origins、Rise of the Tomb Raider、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsだ。これに消費電力比較を添える。