山崎賢人&広瀬アリスがW主演を務める映画『氷菓』(11月3日公開)の場面写真が1日、公開された。
同作は小説家・米澤穂信のデビュー作を実写化。シリーズ累計は205万部を突破し、コミックス、アニメなどのメディアミックス化も行われている。"省エネ主義"の高校一年生・折木奉太郎(山崎)が、姉の命令で入部した古典部で出会った美少女・千反田える(広瀬)と学園の謎を解き明かしていく。
今回公開されたのは、奉太郎が何気なく本を手にとっている写真と、読まれている本の写真。えるに依頼された奉太郎が、学園に隠された謎について図書館で調べものをする場面で『毒入りチョコレート事件』(アントニー・バークリー著)を手に取るが、この本が実は原作へのオマージュとなっている。
『毒入りチョコレート事件』では、主人公の名探偵が率いる「犯罪研究会」が未解決の事件に対し推理合戦を繰り広げるが、この構図は原作の“古典部シリーズ”のモチーフとなっている。さらに、“古典部シリーズ”2作目『愚者のエンドロー ル』で、ウイスキーボンボンを7個食べたえるが酔い潰れる場面でのチョコレートの個数は、『毒入りチョコレート事件』で毒殺事件の被害者が食べた個数と一緒、という遊びも盛り込まれている。
また、えるが坂口安吾の『堕落論』を読んでいるなど、様々な小ネタが登場。メガホンをとった安里麻理監督は、原作を読んだ際にミステリー作品としての完成度の高さに感銘を受け、構想に2年を費やしたという。脚本作りの過程で原作の米澤穂信氏から小説には書かれていないキャラクターの裏設定、“古典部シリーズ”の今後の展開等を聞くセッションを行い完成した作品には、様々な原作へのオマージュが隠されている。