ここのところ、「スマートスピーカー」という言葉がニュースをにぎわせています。「話しかけると応答してくれるスピーカー」とは知っていても、その詳細については把握できていない方が多いかもしれません。ここでは、スマートスピーカーとは何かを解説します。

スマートスピーカーの「Clova WAVE」(左)と「Google Home」(右)

スマートスピーカーでできること

スマートスピーカーとは、「AIアシスタント」に対応しているスピーカー機器のことです。スピーカーに向かって音声で話しかけると、インターネット経由でAIアシスタントが指示の内容を解析し、応答します。スマホやパソコンのように画面操作で指示する必要がないため、作業中で手が離せないときでも操作が可能です。また、文字が理解できない幼児や視力が弱くなったシニア層も利用しやすいというメリットがあります。

AIアシスタントを呼び出すには、「ウェイクワード」というスピーカーごとに決められた言葉を発します。例えば、Google Homeの場合は「OK,Google」、または「ねぇグーグル」と話しかけると、スマートスピーカーが反応し、指示を待つ状態に入ります。

スマートフォンを使っている人なら、すでにAIアシスタントを利用しているかもしれません。iPhoneの「Siri」やAndroidの「Google アシスタント」がそれにあたります。iPhoneで「Hey,Siri」というウェイクワードを使ってAIアシスタントを呼び出し、「今日の天気は?」と尋ねると回答が音声で聞けますが、スマートスピーカーの動作もこの流れと同じです。

スマートスピーカーでできることは、天気予報、アラームやタイマーのセット、調べ物などです。連携サービスを利用すると、音楽や映像のストリーミング配信、ラジオ番組やニュースを聞くこともできます。対応する家電を操作することもでき、テレビの電源オン/オフ、照明の点灯/消灯などが行えます。

主なスマートスピーカーとAIアシスタント

スマートスピーカーは一昨年あたりから米国や英国などで販売を開始しており、日本は少し遅れての発売になりました。

2017年10月現在、国内で販売されているスマートスピーカーは、LINEの「Clova WAVE」とGoogleの「Google Home」、その小型版「Google Home mini」です。また、11月にはAmazonの「Amazon Echo」が投入される見込みで、12月にはソニーの「LF-S50G」の発売が控えています。米国などでは、Appleの「HomePod」が12月に発売される予定で、日本投入が待たれる状況です。

下の表には、それぞれのスマートスピーカーに搭載されるAIアシスタントをまとめました。同じAIアシスタントを使っているスマートスピーカーは、スピーカー自体の機能差が違いになるでしょう。

搭載されているAIアシスタントと製品の開発元

スマートスピーカーは、スマートフォンでいうところの「アプリ」にあたる、「スキル」や「アクション」が追加されることで、機能が増えていきます。そのため、サードパーティによる「スキル」や「アクション」の追加、本体ファームウェアの更新により、購入時より使い勝手が向上していくのです。まだスタートしたばかりのスマートスピーカー市場ですが、目まぐるしく変わる動向から目が離せません。