ビー・エム・ダブリューは25日の「第45回 東京モーターショー2017」プレスデーにて、5台のアジアプレミアモデルをはじめとする展示車両を報道関係者らに公開した。

BMWは東京モーターショーで「コンセプト Z4」「コンセプト 8シリーズ」など5モデルをアジアプレミア

今回のプレスブリーフィングはNHK交響楽団の生演奏でスタート。BMWブースは「ストーリー・オブ・ラグジュアリー」をコンセプトとしており、プレスブリーフィングの演出から公開する車両まで、すべてラグジュアリーイメージで統一していた。登壇したビー・エム・ダブリュー代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏は、BMWの高級モデルを強く差別化するため、ラグジュアリー・セグメント専用のロゴ・マークを導入したことを最初に発表。続いてアジアプレミアとなる4台のモデルを次々に紹介した。

最初にアンベールされた「コンセプト 8シリーズ」は、実質的に量産モデルの「8シリーズ クーペ」となるモデル。「8」はBMWのラグジュアリーかつエモーショナルなスポーツモデルに冠されるもので、これまでの「Z8」や「i8」といったモデルを見ても、個性豊かなモデルとなっている。

プレスブリーフィングは非常に多くの報道関係者らが押し寄せ、近寄ることも困難なほどの混雑に。ステージに4台のモデルが並び、次々にアンベールされていった

「コンセプト 8シリーズ」もそれにふさわしいダイナミックな外観となっている。キドニーグリルはこれまでになく巨大、かつ立体的な造形で、対象的にヘッドライトは細長い。豊かな曲面を多用したボディの造形は、従来のBMWとは一線を画すものといえる。

続いて紹介された「6シリーズ グランツーリスモ」は、「5シリーズ グランツーリスモ」の後継となるモデル。存在感や機能性が大幅に強化されたことから「6シリーズ」へ格上げになったという。最新の自動運転技術が搭載されている点も特徴で、BMW初となる高度自動運転車「iNEXT」を2021年に発売するための大きな一歩となる。

これまでの端正なBMWとは異なるテイストを感じさせる「コンセプト 8シリーズ」。とくにリア周りのボリューム感は圧倒的だ

大幅に進化した「6シリーズ グランツーリスモ」。クーペスタイルながらステーションワゴン並みの機能性を誇るグランツーリスモシリーズのコンセプトは、ここに極まったといえる

「Z3」までのマッチョなスタイリングから一転してシャープなラインを多用する「コンセプト Z4」。このデザインには自信満々のようで、ペーター・クロンシュナーブル氏も「このクルマをよく見てください」と自画自賛していた

「M5」と「コンセプト Z4」はともにピュアなスポーツカーといえる。「M5」は600PSのエンジンと四輪駆動システム「M xDrive」を組み合わせ、最高のトラクションから完全後輪駆動まですべて体感できる。「コンセプト Z4」はロングノーズショートデッキの伝統的なロードスターモデルに現代的なデザインを融合。極端に短いオーバーハングや縦長のヘッドライト、ボンネットに開けられたスリットなどが外観上の特徴となっている。

プレスカンファレンスでは、BMWモトラッドのモーターサイクルのビジネスを拡大させることも強調された。普通自動二輪免許で運転できるアドベンチャーモデル「G310 GS」を大きく取り上げるとともに、ブースにもモーターサイクル4台を展示している。一方、前回の東京モーターショーでメインとなっていた環境技術については、PHEVモデルの販売が好調であることを述べる程度にとどまった。

「コンセプト 8シリーズ」とは逆に普通っぽい外観の「M5」。しかし600PSのパワーユニットを搭載した、BMW伝統の「羊の皮をかぶった狼」仕様となっている

モーターサイクルにも力を入れるBMW。普通自動二輪免許で運転できる「G310 GS」は世界中で大流行中のアドベンチャースタイルを採用。日本車並みの戦略価格でヒットを狙う

また、前回のショーで大きなスペースを割いて展示していたMINIは、今回のショーでは姿を見ることができなかった。