今まで幾度となく挫折したランニングが、Apple Watchをきっかけにスルッと習慣化した筆者。今は週1回程度のランニングですが、体調はすっかり改善し、体の悩みが次々と解決しました。

ランニングに持っていくのは、Apple Watchひとつだけ。最初はiPhoneも持っていましたが、重みが気になり今は手ぶらです。9月に発売されたApple Watch Series 3のGPS+Cellular版はLTE通信機能を内蔵し、Apple Watch単体でも通知の受け取りや通話などができるようになりました。おかげで1~2時間程度のランニングなら、iPhoneが手元になくとも不安はありません。

Apple Watch単体でのApple Music聴き放題を体験してきました。完全ワイヤレスイヤホンのAirPodsなら、音楽を聴きながら快適にランニングできます

10月末からは、watchOS 4.1にアップデートすることで、Apple Musicのストリーミング再生にも対応します。つまりiPhoneがそばになくても、ウォッチ単体でApple Musicにある4,000万曲を楽しめるようになります。たとえるなら「曲数が無限に入る腕時計型iPod」状態!

しかしバッテリーの消費や通信状態などは気になるところ。そこで今回は一足先に、Apple Watchでの音楽ストリーミング再生を体験してきました。

実況中継! Apple Watchだけで皇居ラン

時間:16時頃 場所:日比谷の某ランステーション

台風明けのある平日、観光客も落ち着いてきた時間帯に日比谷に到着。今日は皇居ランでもっとも定番の、皇居周辺を回る5kmのコースを走ります。Apple Watchのバッテリー残量は100%。念のためiPhoneを機内モードに変更して、確実にApple Watchがモバイル通信している状況でテストを始めます。

watchOS 4.1では新たに「ラジオ」アプリが追加されます。Apple Musicのサービスの一つで、Appleが24時間配信している「Beats 1」をはじめ、ライブ放送のラジオを視聴できます。

「Beats 1」はApple Music有料会員でなくとも、誰でも視聴可能(メンバーシップ未登録の場合は広告が流れます)。ランニングにぴったりなエクササイズ用のステーションもありました

ラジオはジャンルやシチュエーションごとに「ステーション」があり、各国にいる音楽に精通したキュレーターたちが手作業で選曲。新しい音楽にどんどん出会えます。またラジオアプリ上で、Apple Musicのライブラリにそのまま曲を登録することもできます。

ランステーションを出発し、ラジオアプリで洋楽ヒットチャートのステーションを再生開始。徒歩でスタート地点の桜田門に向かいます。最初の読み込みに2~3秒かかりましたが、その後は止まることもなく、iPhoneで聞くときと同じように快適に視聴できました。

時間:16時15分頃 場所:桜田門

ランニングアプリの「Nike+ Run Club」をセット

桜田門で準備運動を終え、ランニングアプリの「Nike+ Run Club」を起動。目標を5kmにセットして走り始めます。普段の皇居ランは無音で走ることが多いですが、今回はポップな洋楽がテンションを上げてくれて、また違った楽しさがあります。他人との接触を避けるため、音量は小さめに。

時間:16時50分頃 場所:桜田門→日比谷

いつもは無音で考え事をしながらダラダラ走るのですが、今回は音楽の力のおかげかタイムが早くなっていました

35分ほどで1周を走り終え、ランニングアプリを終了。音楽がテンションをあげてくれたおかげか、いつもよりペースが早かったのに、疲労感もなく気持ちよく走ることができました。ラジオステーションは流したまま、ストレッチをしてランステーションに戻ります。

時間:18時頃 場所:日比谷から銀座のカフェへ移動

シャワー中は操作せず、ランステを出て再び音楽のストリーミング再生を開始。カフェへ移動しつつ40分ほど「Beats 1」を再生したところで、バッテリー残量は50%になったので検証を終了しました。

やはりiPhoneと接続して使用する際と比べて、バッテリー消費のペースは早いです。ただ今回のような日常的なランニングや、近所への買い物、散歩などのちょっとした外出であれば、Apple Watchだけでも十分活動をカバーしてくれることがわかりました。

Apple Watchだけのランニングってどうなの?

皇居ランでは東京の夜景を見ながら走ることもできます

普段走っていると、スマホを持ってランニングする人をよく見かけます。ランニング用のポーチに入れて、そこからイヤホンを伸ばして曲を聴いている人がいれば、アームバンドをつけている人もいますし、手に直接持って走るツワモノもいます。

ランニングでは、距離が伸びてきつくなってくるほど、集中力が散漫になり、ポーチに入れたものの重みや振動が気になってきます。ポケットや手持ちなど、不安定な持ち方では、落下する危険も上がります。タイムを気にするランナーであるほど、快適な状態で走る環境づくりは重要になってくるでしょう。

私も走り始めた頃は、写真用にiPhoneをポケットに入れて走っていました。しかし一度何も持たずに、Apple Watchだけで走って身軽さを知り、もう元のスタイルには戻れなくなってしまいました。始めはウォッチだけでちゃんと距離を記録できるのか不安でしたが、同期に失敗することもなく、iPhoneとほとんど変わらない精度で計測できています。

今月末からはApple Musicのストリーミング再生に対応することで、Apple Watchは「曲数が無限に入る腕時計型iPod」としてパワーアップします。iPodが使えるスポーツウォッチという圧倒的な地位を、いよいよ確立することになるApple Watch。この魅力がランナーに伝わり、iPhoneを持って走る人がいなくなるのは時間の問題ではないでしょうか。