Nijiリクルーティングは10月25日、LGBT当事者を対象とした就職・転職に関する意識調査の結果を発表した。調査期間は2016年6月~2017年9月、有効回答は2,133人(新卒625人、中途1,508人)。
カミングアウトして働きたいか
性的マイノリティは数十通りに分けられると言われているが、同調査はL(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、FTM(女性として生まれたが自認する性が男性)、MTF(男性として生まれたが自認する性が女性)の5つにわけて実施した。
転職を決めた理由を聞くと、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー(FTM)は「仕事内容・キャリアアップ」(53%、34%、44%)、ゲイ、トランスジェンダー(MTF)は「セクシュアリティ」(39%、47%)が最も多かった。
積極的にLGBTへの取り組みを行っているフレンドリー企業への就職を希望する割合は、トランスジェンダー(MTF)が最も多く「是非」「できれば」を合わせて91%。一方、レズビアンは「どちらでもよい」と答えた割合が63%に上り、セクシュアリティによって差があることがわかった。
企業に求める配慮は、「研修」と「相談窓口の設置」が同率の24%でトップ。以下、「同性パートナー制度」が21%、「トイレや制服」が19%と続いた。
カミングアウトをして働きたいかとの問いに対しては、自認する性に合う容姿で生きたいと希望するトランスジェンダーは「したい(する)(「状況次第でしたい」含む)」が8割を超えた。ゲイ、バイセクシャルは「したい(する)」が6割前後、「しない」が2割超~3割半。他方、レズビアンは「したい(する)」は26%にとどまり、「しない」が75%を占めた。
同社は「レズビアンは、将来、パートナーやパートナーの子供を扶養する可能性があり、カミングアウトできる環境より、キャリアアップを優先的に考える傾向がある」と分析している。