10月20日、ソフトバンクが「RPA」ソリューション事業への取り組みを発表した。これまで工場労働者の仕事がFAによって自動化されてきたように、RPAによってホワイトカラーの仕事も自動化できるという。
そもそもRPAとは何なのか、ソフトバンクがホワイトカラーの仕事を自動化する狙いはどこにあるのか、順番に見ていこう。
PC操作を自動化できるRPA
RPA(Robotic Process Automation)という言葉は、「ロボットによる業務自動化」と定義される。これだけでは何のことか分からないが、その中心にある考え方はマウスやキーボードの操作を記録し、繰り返し再生する自動化だ。
たとえば交通費精算の業務で、Excelに入力された駅名と金額のリストがあるとする。不正チェックのためにインターネットの乗換案内サイトで検索し、適切な金額ならば社内システムに入力する。単純だが、ExcelとWebブラウザー、社内システムを往復する必要があり、手間のかかる作業だ。
そこでRPAを使えば、こうした操作を1度覚えさせることで、2回目以降は自動化できる。あたかもロボットがPCを操作するように動作し、操作に無駄やミスがない。疲れたりサボったりする人間より何十倍も効率的だ。
技術的にRPAは目新しいものではない。古くからWindows用のフリーウェアなども公開されている。だが、業務で利用するには画面内の情報を読み取って条件分岐するなど高度な機能や、管理や運用面の機能も求められる。
これを10年近く手がけてきたのがRPAホールディングスの子会社であるRPAテクノロジーズだ。今回ソフトバンクが発表した「SynchRoid」は、RPAテクノロジーズの「BizRobo!」のソフトバンク版といえる。今後のRPAの盛り上がりを見込んで、ソフトバンク自身もRPAツールにEラーニングの教材や導入支援を組み合わせたソリューション事業に参入するというわけだ。