車の渋滞に満員電車、日本の朝はどこもかしこも混んでいる。多くの人が集中する都心部の通勤ラッシュは、特に深刻だ。社会問題として度々取り上げられるも、これといった解決策はないのが現状…。では、他の国ではどうしているのだろうか。在日外国人20人に、自国の「通勤ラッシュ問題」について聞いてみた。
Q.日本では満員電車や車の渋滞など通勤ラッシュが問題になっていますが、あなたの国には通勤ラッシュはありますか?
ある:17カ国
ない:2カ国
Q.通勤ラッシュ問題に対して、あなたの国では何か取り組みをしていますか?
■ 通勤ラッシュはあるが、対策なし
- 「あります。それもひどいですが、なかなか対策を考えてくれないと思います」(香港・20代後半・男性)
- 「渋滞など通勤ラッシュの問題が年々深刻な課題となっているが、国で解決する案がないまま続いている状況です。日本のような公共機関がなく、自分の乗り物を使う人がほとんどです」(カンボジア・20代前半・男性)
- 「通勤の手段は主にバスですが、ラッシュはあります。特にしていないです」(パラグアイ・50代・女性)
- 「通勤ラッシュはありますが、国は取り組みをしていません」(スペイン・40代前半・女性)
■通勤ラッシュはあり、対策をしている
- 「あります。タイではバスと車の通勤ラッシュです。警察官が交通整理をしています」(タイ・40代前半・男性)
- 「通勤ラッシュがあります。地下鉄の路線を増やしたり、道路を作ったりしています」(インド・30代前半・男性)
- 「通勤ラッシュとともに通学ラッシュもあります。公共交通機関の場合、バスや電車の本数を増やします」(ドイツ・30代前半・男性)
- 「あります。車文化なので渋滞がすごいです。カープールレーン(大勢の人が乗っている車だけが使える特別車線)などで改善しようとしています」(アメリカ・30代前半・女性)
- 「はい、通勤ラッシュはありますが、日本ほど混むことはありませんので、ラッシュアワーでは何の対策もなされていません。交通渋滞はひどく、国がやっている対策としては、交通整理の警官を置いたり、新しい道を作ったり、高架にして橋を作ったりしています」(エジプト・30代前半・女性)
- 「シドニーに限ってあります。フレックスにしたり、remoteでの仕事、道路を作ったりしています」(オーストラリア・30代後半・女性)
- 「日本に比べて大した通勤ラッシュではないですが、もちろんあります。主にバスを増やすしか聞いていない」(シリア・30代後半・男性)
■通勤ラッシュはない
- 「ラッシュがない。みんなバス・トラムか車で」(ポーランド・30代前半・男性)
- 「そこまでのラッシュはないらしい」(ハンガリー・30代後半・女性)
通勤ラッシュがない国は、ポーランドとハンガリーのわずか2カ国。多くの国で通勤ラッシュがあることがわかったが、「日本ほどでは…」というコメントを見ると、日本の混雑ぶりは異常とも言えるレベルのようだ。
対策としては、電車やバスの本数を増やしたり、道路を拡張するなど、やはりインフラ整備に取り組んでいる国が多かった。また、警官による交通整理など"アナログな手法"を用いている国もあれば、フレックスやリモートでの仕事など、"新しい働き方"による対策を講じている国もあった。
日本でも同様に、インフラの整備と並行して、時差Bizやテレワークといった新たな取り組みが導入され始めている。しかしながら、こういった対策も一部だけの取り組みとなっていては、解決策にはならない。通勤でストレスを溜めていては、仕事の成果にも影響するだろう。
満員電車から解放される日は来るのか…。まずは、国と自治体、企業の足並みが揃うことが肝要ではないだろうか。