「山田井さん、ウォークマンのレビュー書きませんか?」

マイナビニュース編集部からそう言われたときは、何かの間違いかなと思った。筆者は音楽こそ日常的に聴くものの、特に音楽系のガジェットに詳しいわけでもなく、そもそも音質の良し悪しもあまりわからないからだ。そして、ウォークマンはもうかれこれ10年以上使っていない。最近、音楽はすべてスマホで聴いている。

ド素人も同然の筆者にウォークマンのレビューを書けとはいったいどういうことなのかと思ったが、「いや、むしろそういう人が今ウォークマンを使ってどう思うかが知りたいんです」と言うので、「そういうことならまぁ使ってみますけど」とお借りすることにした。

いつもスマホで音楽を聴くことしかしていないオーディオ素人がウォークマンを使った結果、どう感じたのかを記していきたい。

お借りした「NW-A45」

今回使用したのは、10月に発売したばかりの新作「A40」(型番:NW-A45)である。詳細なスペックを気にする人はすでに自身でいろいろ調べているので割愛するが、簡単に特徴を説明すると、「ハイレゾ音源が楽しめる」「圧縮音源やCD音源もハイレゾ相当にアップスケーリングできる (音質が向上する)」「ワイヤレス音楽再生でもハイレゾ相当で楽しめる」「ハイレゾ音源を再生しながら周囲の騒音を低減するノイズキャンセリング対応」といったところか。要するにどんな音源であっても高音質で再生しまっせ! というわけだ。

正直、ハイレゾとそれ以外の音の違いを聴き分ける自信はないが、音質が向上して悪いことはない。ここは期待したいところ。

ただ、音質だけでは正直、ウォークマンを持ち歩くのはきつい。普段はスマホで音楽を聴いている身としては、わざわざデバイスをもう一つ余計に増やすのだから、それだけのメリットがないと困るのだ。

要するに今回の検証は、「音質は当然として、持ち歩くデバイスを一つ増やすだけのメリットがウォークマンにあるのか」というのがテーマなのである。

……とりあえず先に結論だけを書いておこう。

ウォークマン、"あり"である。

ただし、これはライフスタイルにかなり左右される。あくまで筆者の生活からすると、ありだな、と感じたということだ。

A40を手にしてまず気に入ったのは、質感の高さとデザインの良さ。そしてコンパクトさだ。A40のカラーリングは全5種類で、今回お借りしたのはその中のムーンリットブルー。落ち着いたブルーは大人が持つのにもぴったりな雰囲気だし、形状もシンプル。個人的にテカテカした質感は好みじゃないので、A40のマットな雰囲気は好みである。

手のひらにスッと収まるコンパクトさも魅力的だ。手ぶら派の筆者としてはできるだけ持ち物を増やしたくないのだけど、これならポケットにスッと収まるし、スマホと一緒に持ち歩いてもギリギリ許せる。……というか、ウォークマンって昔からこれくらいのサイズだったような気もするのだが、スマホの大型化のせいでやたらコンパクトに感じるようになってしまった。

手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズ