女優の有村架純がヒロインを務めたNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』(4月3日~9月30日放送)が、ギャラクシー賞の9月度月間賞を受賞した。
有村演じる谷田部みね子が、出稼ぎ先の東京で行方不明になった父・実(沢村一樹)を捜すため、高校卒業後に集団就職で上京し、友人や仲間たちとの泣き笑いの日々の中で成長していく姿を描いた同作。同賞では「岡田惠和の脚本は、笑いあり、涙あり、縦横無尽に物語を構築してた。1960年代を奥茨城村、乙女寮、赤坂のあかね坂というほぼ3地点の出来事だけで描く。時には1話だけでも物語を楽しめる熟練の技を披露してくれた」と講評した。
また、石坂浩二が主演し、倉本聰が脚本を担当したテレビ朝日系ドラマ『やすらぎの郷』(4月3日~9月29日放送)も受賞。「倉本聰が『テレビ』へ宛てて書いたラブレター兼異議申し立て。それをドラマとして見せてしまう力は流石だった。本筋とは関係のない些細なエピソードや、キャラクターたちの言葉遣いなど、半年という長い放送期間だからこそ生まれる魅力も大きかった」と評価された。
さらに、NHKの『たけし誕生~オイラの師匠と浅草~』(9月20日放送)も受賞。「浅草で師弟関係にあった深見千三郎とビートたけしの関係を、当時身近にいた人々とたけし本人の証言とともにたどる。そこからたけしの個人史だけでなく、すぐれた芸人論が浮かび上がってくるところが素晴らしい。芸とはなにか、芸人とはなにかを改めて考えさせられた。紙切りを使って2人のエピソードを再現する演出も効果的だった」としている。
ギャラクシー賞は、放送批評懇談会が1963年に創設した、優秀番組・個人・団体を顕彰する賞。他にも、『NHKスペシャル「スクープドキュメント 沖縄と核」』(9月10日放送)も受賞した。