秋が深まるにつれ、次第に日照時間が短くなり、なんだか少し寂しい雰囲気に。そんな時、部屋の印象まで暗いとますますテンションが下がりますよね。

そこで今回は、秋の気分を盛り上げ、沈みがちな気分を明るくしてくれるインテリアのポイントやおすすめアイテムついて、インテリアショップ「Rigna」スタッフの八木さんに伺いました。

気分を盛り上げたい時のインテリアってなんでしょう。

「部屋に明るいイメージを与えるための一番簡単な方法は、やはり光の効果を利用することになるかと思います。生活するのに必要な明るさ、という面で言えばメインの天井照明だけで十分かもしれませんが、間接照明を使うと暗さをうまく活かした秋冬ならではの雰囲気作りに大きな効果が期待できますよ。

間接照明といってもフロアライトやスタンドライト、ルームライトなどいくつかの種類があります。簡単に取り入れられるものとしてはスタンドライトがおすすめ。これもさまざまなタイプがあり、それぞれに違う効果があります。

シェードがついていない、部屋全体を明るくするようなライトはどんな場面でも使えるマルチなタイプ。ただし、電球の光が直に入ってくるものだと光の力が強く、気分が沈んでいる時には少し尖ったキツいイメージを与えがちになるため、電球を覆ったり包んだりしているものを選ぶのがおすすめですね。柔らかい光が部屋を包むことで気持ちに優しさや温かみを与えてくれると思います。

また、シェードが上向きに広がっているような、天井に向けて光を出すタイプの間接照明は部屋をムーディな印象にしてくれるため、部屋で映画を見る時や恋人と過ごす時間に使うと演出効果に役立ちますよ」

灯り以外でおすすめのアイテムはありますか?

「部屋にグリーンを取り入れるのもおすすめ。植物は生き物なので、置くだけで生命力を感じ、心理的に元気になる力があります。

ただ、これからの季節は気温も低く部屋も乾燥しがちなので、種類選びが重要。枯れてしまったり葉が落ちてしまったりするとがっかりしますから、落葉樹類は避けた方がよいと思います。最近はフェイクグリーンでも本物と見分けがつかないくらい精巧に作られているものも多いので、大きなものを部屋に置くならこの際フェイクを使うのもおすすめですね。水やりの手間もなく、気軽に使える元気アイテムです。

また、最近人気の多肉植物なら枯れたりする心配も少なく乾燥にも強いので、室内でも比較的育てやすいですね。多肉は見た目が固く、あまり大きなものを置くと部屋に圧迫感を感じてしまう場合があります。インテリアに取り入れる場合は小さめのものをポイントに使うのがよいのではないでしょうか」

植物が部屋にあるとおしゃれなイメージにもなりますね。

「そうですね。また、配色を意識すると部屋のイメージに大きな違いがでるでしょう。気分が暗くなりがちな時はビタミンカラーを取り入れるのがおすすめ。ビタミンカラーとは柑橘類に見られるようなビビッドな色合いのことです。ただ、あまり広い範囲に使うと強すぎるので、クッションや雑貨など、インテリアの差し色として使うのがおすすめですね。

暖色もこれからの季節に取り入れたい色です。もともと暖色には実際の気温より暖かく、寒色には涼しく感じさせる効果があります。こちらも赤やオレンジ、黄色などの濃い色を使う場合はポイント使いで。

最後に。気をつけなくてはいけないのが素材感の統一性です。せっかく色やアイテムを揃えても、素材がちぐはぐだと部屋全体としてのまとまりがなくなってしまいます。季節によって向いている素材と向いていない素材があるため、季節に合った素材を取り入れることが大切。暑い季節であれば麻素材が人気でしたが、これから寒くなってきたら、毛素材やベルベットなどもよいかと思いますよ」

取材協力:八木清貴(Rigna店舗スタッフ)
リグナテラス東京の店舗販売員兼コーディネーター。ワンルームからマンション・戸建まで幅広く相談にのり、住み良い家具選びのアドバイスや提案を行う。