※2010/10/29掲載記事の再掲です

このコラムをご覧になっているということは、まさに皆さんの過去や現在の恋愛のなかで、傷ついてきた体験があったのですね。大好きだった人の裏切り、いつもいつも振られてばかりの片思い、体だけ求められて見限られてしまった体験など、形は十人十色ですが、好きになった異性によって、皆さんの純粋な気持ちが傷つけられてきたのでしょう。

実は今回このコラムを書いた端的な理由は、昨夜見た私の夢のなかで、このタイトルのコラムで執筆している姿が鮮明に残っていたからなのです。私に日々相談を寄せてくださる相談者や、過去の自身の恋愛も含めて、自分の想いが成就しないが故に、自信喪失されている方々が実に多いと思います。そのためこのテーマでコラムを書くことにしました。

魅力がない自分がすべて悪いと思っていませんか

先ほど、私は「好きになった人によって、自分の気持ちを傷つけられた」と申し上げました。これは、好きになった人=加害者、私=被害者という簡略的な関係図にも当てはめられますが、皆さんはかつて「傷つけられた」という意識がありましたか。

「こんなにも自分は相手のことが好きなのに、あの人は自分の気持ちを分かっているのに、受け入れてくれない」
「恋人持ちのあの人を好きになって早1年。いい加減報われないこの恋は限界だけど、あの人がいつもかけてくれる優しい言葉を聴いていると、諦められない。本命の相手がいるのに、どうして自分に優しくするの」
「あんなに好きだと言ってくれていたのに、昨日までのことが嘘だったかのように、別れを突きつけるなんてヒドすぎる」
「私のことを好きだって言ってくれたあの言葉は偽りだったの? 私はあなたにとってただの遊びだっただなんて許せない」

おそらく、傷つけられたという自覚がある方は、好きだった人に対して、失望感、愛憎、裏切られたことによる怒り、不信感など胸が渦巻いている最中だと思います。

しかし、なかには「自分が傷ついている」という認識があったとしても、その原因が相手のせいではなく、「魅力がない自分がすべて悪い」というふうに、自分を責めている方もいるかもしれません。いずれにしても、恋愛に傷ついた経験が深すぎるゆえに、新しい恋愛を求めるどころか、生きる気力を失っているとしたら、一刻も早く立ち直りたいですよね。

絶望しつつも救いを求めるあなたへ

心のどこかで「もう自分はダメなんだから、このまま落ちるところまで落ちればいいんだ」なんて失望感でいっぱいになっていたとしても、きっとこのコラムを目にされたということは、一方で、救われたいという願いもあるはずです。

苦しかったでしょう。心がヒリヒリしていたのでしょう。でももう、大丈夫ですよ。よくここまで一人で頑張ってきました。恋愛って本当に思い通りにならないことの連続ですよね。相手の気持ちを変えることがこれほど難しいだなんて、自分の限界を感じているそのお気持ちがよく分かりますよ。

かつての私も度重なる失恋経験から、その度、自信を喪失したり、時には行き場のない思いから相手を憎んだりもしましたが、それでも好きだからこそ簡単に気持ちを割り切ることができませんでした。そしてどれだけこちら側が努力してやり直そうとしても、相手の気持ちを変えることができない限界を何度も味わってきました。 周りの人間からたくさんの勇気が出る言葉をもらっても、友達から慰められても、好きだったあの人とはもはや同じ道を歩むことはできない現実に直面して、何度「自分はもう誰からも必要とされないんだ」とネガティブな考えに陥ったことでしょうか。

お台場や横浜の占い師に、好きだった女性の生年月日を教えて「別れることになって正解だったか」なんて占ってもらったり。占い師から「あなたはその女性と別れて正解でした。相性が合わなかったのですよ」なんて言葉をかけてもらうことで、「やっぱり別れることになったのは、お互いの価値観や性格の差があったからこそなんだ。自分は間違っていなかった」という希望が一瞬湧くのですが、夜になるとやはり「それでも、別れたくはなかった……」という相反する気持ちがしばらく続きました。

忘れられたくない気持ち、充実していた自分を失いたくない気持ち

後になって冷静に考えてみると、失恋にどっぷり浸かっていたあの頃は、2つの気持ちでいっぱいでした。それは、大好きだったあの人に自分と言う存在を忘れられてしまう恐怖感。そして、好きな人がいて恋をして毎日が充実してイル自分を失いたくないという気持ちです。

自分との日々がなかったかのように、別の人生を歩んでいる相手に対し、好きな人を失った今、アイデンティティを失ってしまった自分。何を目標に生きたらいいのか、分からなくなっていました。そんな思い通りにならない恋愛を重ねてきた私ですが、先述したように、私の元にやってきてくださる多くの相談者も、好きな人との関係で悩まれています。 過去の経験から、傷つくことをおそれ、一歩踏み出せずにいる方もいらっしゃいます。それでも最終的にはここで、自分が体験してきた前途多難な恋愛を見つめ直すことによって、自分の力で新しい活路をみいだされていらっしゃいます。過去のトラウマを乗り越えて、行動することによって、未来を塗り替えられている相談者の報告を耳にすると私もとても救われます。

ここで相談者の皆さんが共通しておっしゃていた言葉を紹介します。

「一歩踏み出してみてよかった。案ずるよりも産むがやすしのように、実際に行動してみたら、想像していたよりも楽だった」

あなたの勇気が自分の過去を救う

傷ついてばかりの恋愛で、気力も何も失っている皆さん、もう自分を解放してあげていいんですよ。十分あなたは苦しんで、その純粋な気持ちがあるからこそ、責任を一人で抱えてこんできたのでしょう。裏切られたり、傷つけられた体験から、一歩前に踏み出せずにいるのでしょう。そんな他人の心の痛みが分かってあげられる皆さんだからこそ、自分からは同じ行動を繰り返さなければいいんです。もうそんな頑張ってきた自分を許してあげていいんですよ。

ほんの少しの勇気があなたの過去を救ってあげられるのです。このコラムを読んでくださった皆さんならば、自分の力で新しい未来を築ける力を備えています。それは私が保証します。行動を起こしたことで出会えた感動を、皆さんのリアルな報告をぜひ聴かせてください。

悲しみの青春よ、さようなら。

文●TAKA氏 写真●ペイレスイメージCopyright(C)2010 paylessimages,Inc.All Right Reserved.

筆者プロフィール:TAKA氏
地方公務員として勤務する傍ら、ストレス発散や心の悩みを和らげるための憩い場を提供するリラクゼーションサイト「ラブステ」を運営中。恋愛に不器用な方や、孤独や不安に苛まれて明日を見失っている方を対象に、サイト内の相談所やメールを通じて、相談も受け付けている。自身の経験と傾聴のスタンスをもとに、6年間で約500名の相談者と対話した実績を持つ。