キヤノンは10月16日、APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載した高級コンパクトデジタルカメラ「PowerShot G1 X Mark III」を発表した。キヤノンのコンパクト機において、APS-Cセンサーを採用するのは本機が初となる。11月下旬の発売を予定しており、価格はオープン。キヤノンオンラインショップにおける販売予定価格は税別127,500円。

PowerShot G1 X Mark III

PowerShot G1 X Mark IIIは、2014年3月にされた「PowerShot G1 X Mark II」の後継機で、PowerShot Gシリーズの最上位モデルとなる。前モデル・G1 X Mark IIのCMOSセンサーサイズは1.5型だったが、今回のG1 X Mark IIIはAPS-Cサイズへと大型化。有効画素数も約1,310万画素から、約2,420万画素に上がっており、画質と解像感の両面を高めている。

このAPS-Cセンサーは、一眼レフ中級機の「EOS 80D」やミラーレス最上位機の「EOS M5」などと同等のもの。さらに、高感度性能や被写体検出性能を高めた画像処理エンジン「DIGIC 7」や、あらゆるシーンで高速な像面位相差AFが働く「デュアルピクセルCMOS AF」を採用した点においても、EOS 80D、EOS M5などと肩を並べている。

APS-Cサイズ・約2,420万画素のCMOSセンサー、画像処理エンジン DIGIC 7、デュアルピクセルCMOS AFを搭載。これらの仕様は、EOS 80DやEOS M5などと同等だ

CMOSセンサーを大型化した一方で、ボディは逆にかなりの小型軽量化を実現。前モデル・G1 X Mark IIはW116.3×H74.0×D66.2mm/約553gというサイズだったが、G1 X Mark IIIはW115.0×H77.9×D51.4mm/約399gに。重さはともにバッテリーとSDカードを含む数値だが、154gも軽くなっている。しかも新たに、電子ビューファインダー (EVF) を内蔵し、液晶モニターをバリアングル式に変え、防塵防滴に対応しながらである。

レンズは35mm判換算で24~72mm相当の光学3倍ズーム、絞り開放値はF2.8~5.6。この点は、前モデルの24~120mm・F2.0~F3.9に比べてスペックを抑えた形となる。

手に持ったサイズ感。前モデルに比べ、154gの軽量化を達成した

レンズは、24~72mm、F2.8~5.6

右手側の前面に縦配置の操作ダイヤル、天面に露出補正ダイヤルを備えている

ワイヤレス通信機能は、Wi-FiとNFCに加えて、Bluetooth Low Energy (BLE) にも対応。電力消費を抑えながら、スマートフォンなどと常時接続が可能となっている。コンパクト機でありながら、ピクチャースタイル機能やカメラ内RAW現像機能、タイムラプス撮影機能を搭載。新機能として、簡単にパノラマ写真を作成できる「パノラマショット」を追加している。EVFをのぞきながら、液晶モニター上で指を動かして (タッチ操作で) 、AFポイントを移動できる「タッチ&ドラッグAF」も利用できる。

液晶モニターはバリアングル式。画面は3型・104万ドット

背面。液晶モニターの画面を表側にも裏側にもできる

天面。EVFの上にホットシューを備えている。EVFは約236万ドットの有機EL

光学3倍ズームをテレ端まで伸ばした様子

主な仕様は以下の通り。

  • 撮像素子:有効約2,420万画素、APS-Cサイズ、CMOSセンサー
  • レンズ焦点距離:24~72mm相当 (35mm判換算)
  • 絞り開放F値:F2.8~F5.6
  • 画像処理エンジン:DIGIC 7
  • 対応感度:ISO100~25600
  • シャッター速度:1/2,000~1秒 (オート時)
  • 液晶モニター:3型・約104万ドット、タッチパネル、バリアングル式
  • 記録メディア:SD/SDHC/SDXCカード (UHS-I対応)
  • バッテリーパック:NB-13L
  • サイズ:W115.0×H77.9×D51.4mm
  • 重量:約399g (バッテリーとメモリーカード含む)

別売のソフトケース「CSC-G10BW」。キヤノンオンラインショップにおける販売予定価格は税別14,000円

別売のレンズフード「LH-DC110」。希望小売価格は税別5,000円

別売のウォータープルーフケース「WP-DC56」。希望小売価格は税別41,800円